平和の「ご破算」にNO

「渥美線電車機銃掃射」から14日で80年/田原で語り継ぐ会が慰霊祭/世界情勢の緊迫化に警鐘 不戦の誓い新た

2025/08/11

活動を振り返る「前日の会」の山田政俊前会長(右端)=田原市内で

 終戦前日、米軍機が現在の田原市を走る電車を狙い乗客ら15人が死亡、16人が負傷した「渥美線電車機銃掃射」から80年となる14日を控え10日、神戸駅近くの現場で慰霊祭が開かれた。主催者でこの出来事を語り継ぐ市内のグループ「前日の会」(彦坂久伸代表)は、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化に警鐘を鳴らし、「これからも平和を願い、決して『ご破算』にしてはいけない」と不戦を誓った。

 前身の豊川流域研究会を含め前日の会は乗客や目撃者、救助、救護にあたった約50人から聞き取り、まとめた証言集を基に2015年から市内の小学校などで体験者と一緒に出前授業を開いている。

 慰霊祭で山田政俊前代表(80)は、10年の活動を振り返り「この間、体験者に活躍してもらった」と感謝し、「継承活動の第一期」と位置付けた。戦後90年に向け「体験者の代弁者、その発掘と育成」「前日の会の若返り」などを挙げた。

 死者のうち5人が地元成章中学校(現成章高校)1年生。同学年の鈴木芳和さん(92)は「短い一生を終え、残念でならない」と悔やんだ。そのうえで「平和を保ち、豊かに暮らせる環境をつくってほしい」と呼びかけた。この後、参列した約25人が献花し冥福を祈った。

 また、前日の会が博物館で証言集を基に作った紙芝居「前日物語」を上演した。

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