「とにかく負けん気の強い選手」

軟式少年野球チーム・向山V元監督向井大助さん/豊橋中央・髙橋大喜地を振り返る

2025/08/11

小学生の頃から強気な髙橋大喜地(2019年の第72回豊橋少年軟式野球選手権大会で撮影)

 まもなく甲子園のマウンドに立つ豊橋中央のエース髙橋大喜地。愛工大名電で球児だった父・勝由さんの影響もあり、幼少期から野球が大好きだった。小学生の頃はどんな選手だったのか。豊橋の軟式少年野球チーム・向山ビクトリーで指導した恩師・元監督の向井大助さんに聞いた。

 ◆勝負が大好き
 向井さんは、髙橋の小学生時代を懐かしむように「とにかく負けん気の強い選手だった」と話し始めた。強豪校相手に立ち向かう強気な性格は、当時から変わらず「オレが、オレが、という感じ。強い打者と勝負するのが大好き。野球に対する特別な熱い思いがあって、活発な子だった」と言う。

 思い出に残っているのは、富士見高豊クラブとの試合。同学年の砂田隆晴(豊橋中央の主将)との対戦で、1点を争う場面だったが「勝負したい」と譲らなかった。結局、砂田に打たれて勝負は負けてしまったが、強打者との対戦を楽しむ姿勢は、当時から何も変わっていない。

 ◆野球を楽しむ
 髙橋の実家「寿し龍」が近所だったこともあり、愛知豊橋Bに入っても「家の前でバットを振っている姿を見た。向上心が強く、努力しているんだな」と感心した。日大三(西東京)との初戦へ「本音を言えば勝ってほしい。けれど、高校最後の公式戦なんだから、勝った負けた以上に甲子園を楽しんでこい、と。大喜地は野球を楽しむのが一番」と話した。

松井蓮太朗捕手は向山Vから守備の要(2019年の第72回豊橋少年軟式野球選手権大会で撮影)

松井蓮太朗は「向山V歴代最高の主将」/「大喜地の球を取れる」からバッテリーに

 豊橋中央のエース髙橋大喜地の女房役は松井蓮太朗。大舞台で大きな注目を集める幼なじみが、バッテリーを組んだきっかけは、豊橋の軟式少年野球チーム・向山ビクトリーで指導した元監督の向井大助さんだった。8年前、甲子園へとつながる2人の物語が始まった。

 ◆最高の2人
 向井さんは松井を絶賛した。向山Vでは「歴代でも最高の主将。チームの中心選手だった。みんなから『蓮ちゃん』と慕われ、下級生の面倒見も良くお兄ちゃんという感じ。どの監督もチームに欲しいと思う。試合では声が出るし、的確な指示で周りの選手を動かせる」と言う。

 髙橋と松井がバッテリーを組んだ理由について「大喜地の球を取れるから。強気な投手をうまくのせてくれる。心の内は熱いけどプレーは常に冷静。それに、2人は仲が良くて特別な関係があった」と教えてくれた。

 ◆出会いと成長
 中野哲伸監督(愛知豊橋B)は松井について「寡黙な修行僧」と表現したが、実は野球になると誰よりも冗舌によくしゃべる。松井の成長は「萩本将光監督との出会いが大きかった」ようだ。向井さんは「豊橋中央で良い仲間、先輩に出会った」と話す。谷川原健太や中川拓真の存在も大きかった。

 甲子園では「本塁打を打ってほしい。でも、蓮太朗は相手打者のことを考えているはず。豊橋に帰って来たら土産話を聞きたい」と活躍に期待を寄せた。

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松井蓮太朗捕手は向山Vから守備の要(2019年の第72回豊橋少年軟式野球選手権大会で撮影)

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