31日まで、戦地からの手紙など蒲郡市博物館で展示
2025/08/19
出兵した人に関する資料が並ぶ会場(蒲郡市博物館で)
「終戦80年 戦争資料展」が、蒲郡市博物館で開かれている。出征した兵士から届いた手紙や、戦地へ持参した道具など10点余りが展示されている。31日まで。
会場の2階ロビーには、実際に着用された陸軍の軍服や千人針、手帳、補充兵証書などが並ぶ。いずれも個人から提供された。
千人針は、白布に千人が一針ずつ玉結びを施したもので、弾よけのお守りとされた。
中国の戦地、長沙から蒲郡市内の婚約者の女性宛てに届いた手紙も展示されている。日付は終戦の年の1945年1月25日。現地に開設された野戦郵便局に、内地から便りが届くのを待ちわびる様子がつづられている。
さらに、戦地で死を覚悟しながら、婚約者を妻として迎えることを思い「全てを有りの儘(ありのまま)に受けとりたい」と打ち明けている。
また、兵士たちは娯楽に飢えていて、本や新聞が送られてくると「躍り上がって喜んだ」「本さえあれば戦中楽しみ」と記されている。過ごしている部屋の間取り図も添えられ、現地の様子が生き生きと伝わってくる。
同館では本年度、「三河地震と戦争と」と題し、戦争と戦時下にあった三河地震に関する展示を行う。これに先立ち、本展を企画した。同館学芸員は「80年の節目、大人も子どももぜひご覧いただきたい」と勧めている。
入場無料。展示は午前10時~午後5時。月曜と第3火曜は休館。