バチを持つ手にも力がみなぎる

来月の35周年記念公演控え大崎しおかぜ太鼓が練習/豊橋

2025/09/24

「海祭」に向け、熱のこもった練習をするメンバー(豊橋市大崎町で)

 和太鼓グループ「大崎文化保存会しおかぜ太鼓」が今年、豊橋市大崎校区を拠点に発足して35年を迎えた。10月18・19日の2日間にわたって行う記念コサート「海祭(かいさい)」に向け、メンバーは熱のこもった練習を重ねている。

 海に面した大崎校区はかつて、半農半漁の地域だった。「先人の思い、大崎の海を忘れないように」と、代表を務める中川茂さん(78)が太鼓を通し海で培われた伝統と文化を伝えることと、地域の子どもたちに太鼓の楽しさを感じてもらう目的で「大崎しおかぜ太鼓」を結成。主に海にちなんだ創作曲を演奏してきた。
 当初は子ども4人、大人7人。「中古の太鼓一つで、電話帳をたたいて練習。騒音問題もあり、練習場も市民館から社務所、作業小屋と移ってきた」と中川さんは振り返る。

 やめようと考えた時もあったが、35年間続いた理由を中川さんは「指導者がいる。子どもたちが魅力を感じて集まる。いつでもたたけるように太鼓がそろっていること。そして発表の場、これがないと身を入れて練習できない」と四つを挙げる。特に「発表の場を提供していただき、継続の原動力になった」と感謝する。

 演奏で地域の催しに花を添えたり、節目ごとに公演を開いたりしてきた一方、東日本大震災で被災した福島県の和太鼓グループと交流も続けてきた。

 現在、小学生から70代まで58人がメンバー。豊橋市大崎町の国道259号沿いにある農産物販売の大崎農園の隣に建てた「太鼓道場」を練習場にする。

 大小の和太鼓に笛、かねが鳴り響く練習場。35周年公演を控え、メンバーは緊張感ある表情で演奏曲を仕上げている。当日は、新曲を含む10数曲を予定。海にちなんで舞台には大漁旗がなびく。

 記念公演「海祭」の会場は穂の国とよはし芸術劇場プラットで、10月18、19両日は「ええじゃなか豊橋まつり」と重なる。「豊橋の魅力を知ってもらいたい」との思いから、会場近くの豊橋駅前などで行われる豊橋まつりも見てもらおうと、あえてこの日にした。

 作曲と指導にあたる滄木寿広さん(36)は「自分たちの伝えたい思い、気持ちを表現しようとたたいています。各曲のテーマ、思いが伝われば」と意気込む。当日はサプライズもひそかに練っている。

 チケットは中学生以下1000円、一般2000円。開演時間は18日が午後5時、19日は午後2時。問い合わせは滄木さん=電話080―3617―6621=へ。

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