豊川高校センバツへ大きな一歩

小心者エース皆川が仲間たちに支えられ挑む

2025/09/27

準決勝で力投する皆川瑛翔

 来春の第98回選抜高校野球大会(センバツ)代表校推薦へ向けて、豊川が秋季東海大会の出場権を獲得、東海4県の精鋭12校がわずか3枠の切符を争う。2年ぶり3回目のセンバツ出場へ鍵を握るのは、背番号1を背負う「小心者」エース皆川瑛翔、仲間たちに支えられ勝負のマウンドに立つ。

◆地道な走り込み
 豊川は、モイセエフ・ニキータ(東京ヤクルト)を擁した2024年以来となる3回目のセンバツを目指す。夏の大会が終わって3年生がチームを巣立ち、主力で残ったのは上江洲由誠と長谷川快の2人のみ。今秋からエースを託された皆川も、最速152㌔の中西浩平と平野翔馬のWエースの影に隠れて、今夏まで存在感は皆無だった。

 試合で先輩2人が投げる姿をベンチで眺めながら、毎日の練習でとにかく地道に走り込んだ。入学当初から高い能力を秘めていたが、緊張感の伴う公式戦での登板経験は圧倒的に少ない。皆川も「実績がないので緊張してしまう。みんなから『小心者』と言われて、自分では『そうじゃない』と思っていた」と葛藤する心の内を明かした。

◆初完封勝利
 約1カ月前の東三河予選。豊川は桜丘の好投手・澤田我暉を打ち崩せず準決勝で敗退。センバツが目標の豊川ナインにとってショックな敗戦だった。チームを勝利へ導けなかった皆川は「小心者」である自分の弱さを受け入れるようになった。そして、傷心の中で迎えた県大会。東海切符を懸けた中部大春日丘との準決勝で、皆川は132球の12奪三振、公式戦では自身初となる完封勝利を挙げた。

 被安打7と何度もピンチを背負いながらも無失策の堅守に支えられ、チェンジアップとスライダーを使い分ける強気の投球で毎回奪三振の快投。重要な試合で自信を深める大きな一歩を踏み出した。

◆センバツへ
 皆川は「試合前はドキドキして落ち着かなかった。まだ終わりたくないと思っていた。連戦の疲れもあって1イニングずつ、自分の投球だけに集中して味方を信じ必死で投げた。東海大会はみんなで目指してきた場所。このチームで甲子園に行きたい」と会心の勝利を喜んだ。

 長谷川裕記監督は「1―0で勝つとは思っていなかった。プレッシャーのある中で、タフに投げ切ってくれた。内外野の好守備もチームを救った。中京大中京との決勝が楽しみ。何が何でも優勝して東海大会に挑戦したい」と意気込んだ。

豊川ナインが喜びを爆発させた

2025/09/27 のニュース

準決勝で力投する皆川瑛翔

豊川ナインが喜びを爆発させた

有料会員募集

今日の誌面

有料会員募集

きらり東三河サイト

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP