新アリーナ事業で豊橋市/市民団体は樹木保全要望
2025/10/11
約11カ月ぶりに新アリーナ事業の工事が再開される旧豊橋球場(豊橋公園で)
豊橋市は10日、豊橋公園で進める多目的屋内施設(新アリーナ)の整備・運営事業について、27日から工事を再開すると発表した。まずは予定地に建つ旧豊橋球場の解体などを進める。市長交代によって一時休止された事業が、約11カ月ぶりに本格的に再始動する。
市スポーツ施設再編室の説明では、野球場が廃止された後も残ったままの外野フェンスや客席、照明設備などの構造物を撤去し、同時進行で周辺の樹木を伐採する。作業期間は来年9月末まで。
工事再開を前に市は19日午前10時からと21日午後1時半から各1時間、現地で工事についての説明会を開く。集合場所は陸上競技場前。申し込み不要で、誰でも参加できる。
今年3月の市議会定例会では、野球場の解体撤去費やアリーナの設計費を盛り込んだ2億6100万円の補正予算が、同事業の推進派議員らによる予算の組み替え動議を受けて提出され可決、成立していた。
アリーナ事業をめぐっては、昨年11月に就任した長坂尚登市長の方針で工事が中断。今年7月の住民投票では事業継続が賛成多数となり、長坂市長は事業の再開に舵(かじ)を切った。
工事中断に伴い、アリーナの開業時期を当初の予定より2年遅れの2029年10月とする変更契約を市は事業者と今月6日に交わし、8日から工事に先立つ文化財の発掘調査を再開した。
10日には、豊橋公園周辺の住民らで住民投票後に立ち上げた団体「これからの豊橋公園と新アリーナについて考える会」が市役所を訪れ、公園内で伐採する樹木を最小限にすることなどを求める要望書を長坂市長に提出した。
面会後、長坂市長は記者団の取材に「1人でも多くの人に理解してもらえる事業にしたい」と述べた。