豊橋の彦坂昌宏氏が2度目の受賞
2025/10/16
間仕切り壁で支えられた建物の内部(提供)
東海4県の優れた住宅を表彰する第12回JIA東海住宅建築賞(主催=日本建築家協会東海支部)の最優秀賞(大賞)に、豊橋市の「柱七番町の家」を設計した彦坂昌宏氏(豊橋市、彦坂昌宏建築設計事務所)が選ばれた。彦坂氏は2021年に続く2度目の大賞受賞。
「柱七番町の家」は単身高齢向けに設計された木造平屋住宅で、住空間を回遊性のある一室にして、高齢者がスムーズに移動できるよう配慮されている。室内の間仕切壁を建物の主構造にしているのが特徴で、リビングには大きな吹き抜けを設け、東西南北4方向を臨む高窓からは、太陽や雲の動き、天候の変化など自然の移り変わりを一日中感じることができる。
審査員から「間仕切壁で生活スペースを領域分けしたプランが秀逸。安価な工事費にも関わらず、構造計画と空間構成を工夫することで、上質で豊かな住空間を実現した。単身高齢者用の住宅ということだが、家族で住んだり、店舗としても活用したりできる力強く普遍性のある住宅」と評価され受賞が決まった。
彦坂氏は「間仕切り壁だけで建物全体を支えるという、これまでにない新たな空間形式を考案した。生活スペースを緩やかに仕切ることで、高齢者が快適に過ごせる家を作ることができた。これからも常識にとらわれない自由な発想で、豊かな生活空間を作りたい」と受賞を喜んだ。