意識調査で浮き彫りに市長公約実現黄信号か/「自宅前にごみ」抵抗感/民意との隔たり 問われるトップ判断
2025/11/12

豊橋市役所
長坂尚登市長肝いりで豊橋市が導入を検討するごみの戸別収集に対し、多くの市民が消極的であることが今年度の市民意識調査で明らかになった。民意との隔たりにどう折り合いをつけるのか、トップの政策判断が問われる。
市が実施した市民意識調査によると、ごみの戸別収集をどう思うかとの問いに、39・7%が「ごみ収集手数料の負担が不要であっても実施してほしくない」と答えた。「ごみ収集手数料の負担が必要であれば実施してほしくない」との回答が38・0%で続き、「ごみ収集手数料の負担が必要であっても実施してほしい」人は10・5%にとどまった。
市民が乗り気でない理由は、戸別収集のデメリットを複数回答可で聞いた質問から読み取れる。最も心配な点は「収集までの間、自宅前にごみがあることでの臭いやカラス等動物によるごみの散乱」(65・6%)で、「人員・車両増など収集経費の増加による市民のごみ収集手数料の負担」(59・4%)や「自宅前にごみを出すことによる抵抗感やプライバシー、防犯面での不安」(46・3%)の順に続いた。
一方、メリットは「ごみ出しに苦労している高齢者世帯や子育て世帯などの負担が軽減される」(58・1%)、「ごみステーションまで行かなくてもよいため、ごみ出しの負担が軽減される」(48・8%)、「誰が出したごみか明確になるため、ごみの分別が徹底される」(42・9%)との順番だった。
ごみの戸別収集は、長坂市長が昨年11月の市長選で公約に掲げた政策のひとつ。今年度の当初予算にも新規の検討項目として盛り込まれた。市内では現在、地域に設けられたごみステーションを収集車が回り、家庭から出されたごみを収集している。
市収集業務課の担当者は、今回の市民意識調査の結果も踏まえつつ、ごみの戸別収集について「効果や費用面の課題を洗い出し、豊橋で導入できるか検討を進める」と話した。