東海3県で初来月10日運用スタート/山林火災などにも活用へ/豊橋市消防本部
2025/11/27

水難救助に対応するドローン
豊橋市消防本部は、水難救助に対応するドローン(小型無人機)1機の運用を12月10日から始める。同本部によると、上空から要救助者に浮き輪を投下し、スピーカーで声かけができる機種の導入は愛知、岐阜、三重の東海3県で初めて。事故現場での迅速な救助につなげる。
運用が始まるドローンは、水に落ちると自動でふくらむ浮き輪やスピーカーを備えるほか、広い範囲を撮影できるカメラと熱源を感知する赤外線カメラを搭載している。
海や川での救助活動の際、現場に駆けつけた隊員がドローンを要救助者の上空に飛ばし、浮き輪を投下。スピーカーを通して安全行動を呼びかける。夜間を含め、カメラで現場の状況を把握することも可能だ。
ドローンは水難救助以外に、広範囲の林野火災や山岳救助でも活用される見込みという。
導入費用は約600万円。操縦者として、配備される中消防署の指揮隊員6人が「二等無人航空機操縦士」の国家資格を取得した。
同本部によると、市内では昨年度、15件の水難救助事案が発生。迅速性が求められる水難救助で、これまでは隊員が要救助者に接触するまで活動や資機材の準備に一定の時間を要していた。
太平洋と三河湾に面した同市の地理的特性を踏まえ、「被害の軽減が図られることが大いに期待できる」(本橋由行消防長)として水難救助用ドローンの導入を決めた。
同市では、防災危機管理課のドローン飛行隊「RED GOBLINS(レッド ゴブリンズ)」が、災害時の情報収集用ドローンを運用している。