㉖「恋路ヶ浜の今昔」/藤村の『椰子の実』の舞台が「恋人の聖地」に変遷
2026/04/07

1960年頃の恋路ヶ浜と日出の石門(西山地区提供)
上の1960(昭和35)年頃の写真は、正面に骨山(標高112㍍)があり、海に突き出た先に渥美半島の観光のシンボル「日出の石門」(ひいのせきもん)が浮かぶ。その石門から弧を描くように約1㌔に広がる砂浜が恋路ヶ浜である。
江戸時代の和歌にも詠まれており、高貴な男女が許されぬ恋に落ち、都を追われてこの地に身を寄せたとの伝説も残る。
明治時代に民俗学者の柳田國男が滞在した際、浜辺に流れ着いたヤシの実を見つけたという話を基に、島崎藤村が『椰子の実』の詩を創作した舞台でもある。
53(昭和28)年に開通した観光道路が、石門から恋路ヶ浜、伊良湖港へと通じ、その道筋が骨山の中腹に確認できる。
下の写真は、ハマユウが植えられた伊良湖岬灯台への遊歩道から撮影したものである。骨山の山頂には、68(昭和43)年に開業した伊良湖ビューホテル(現・伊良湖オーシャンリゾート)が写っている。
絶景のロケーションが魅力であり、ホテルの屋上にはテレビカメラが設置され、天気予報などで伊良湖岬と恋路ヶ浜の様子が全国にも放映されている。
恋路ヶ浜は、日本の「渚(なぎさ)百選」と「白砂青松百選」に選定されており、 2006(平成18)年には「恋人の聖地」として認定された。伊良湖岬灯台とともに、プロポーズにふさわしい場所として人気があり、鐘のモニュメントや「願いのかなう鍵」なども設置されている。