ウイルスの質量・個数同時計測

技科大チームが高精度センサー開発

2026/05/02

質量・粒子数を同時計測する電流駆動型グラフェン共振センサー(提供)

 豊橋技術科学大学と産業技術総合研究所、東洋大学の合同研究チームは、半導体マイクロマシン技術(MEMS)を活用し、ウイルスの「総質量」と「粒子個数」を同時に測定できるマルチモーダル・バイオセンサーを開発した。原子単層膜であるグラフェンの振動特性を利用したもので、従来の簡易検査チップでは困難だった標的ウイルスと夾雑物(不純物)の識別を高い精度で実現した。

 豊橋技科大の髙橋一浩教授らの研究チームは、微小な空洞の上に架橋した自立グラフェン層に電流を流し、熱で膜を振動させた。膜に物質が吸着した際の「振動周波数の変化」から総質量を、「振動振幅の変化」から粒子の個数をそれぞれ検出する仕組みだ。新型コロナウイルスを用いた実験では、高濃度のタンパク質が混在する環境下でも、質量と個数の相関関係を解析することで、ウイルス1個の質量に相当する23アトグラム(アトは1018分の1)の極微量な検出に成功した。

 同技術は電気信号で駆動するため、装置の小型化や低コスト化が容易な点が特徴。将来的にはスマートフォンと連携した携帯型デバイスとして、自宅での迅速なウイルス検査などへの応用が期待される。社会実装が進めば、病院へ行かずとも自宅で専門医と同等の検査結果に基づく遠隔診療への道も開ける。

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