北米ミジンコがなぜ奥三河に

東北大、豊根の「みどり湖」で国内初確認/反り返ったヘルメット状の頭部が特徴

2026/05/29

豊根村で見つかったミジンコ(東北大の発表資料より)

 北米大陸の湖や沼にすむはずのミジンコが、豊根村にある新豊根ダムの貯水池「みどり湖」で見つかった。このミジンコが国内で確認されるのは初めてで、東北大学の研究グループが突き止めた。奥三河まで「侵入」した経緯は不明だが、ミクロの生き物の世界にも人間の活動が影響を及ぼしているようだ。

 東北大の発表などによると、みどり湖で昨年10月に採集された動物プランクトンを、同大大学院の牧野渡助教(プランクトン学)らが調査。遺伝子解析などの結果、ミジンコ属の「ダフニア・レトロカーバ」と同定した。

 特にカナダ・エリー湖の個体とは、遺伝的な違いがほとんどなかった。

 レトロカーバは「後ろにカーブした」という意味で、反り返ったヘルメットのような頭部が特徴だ。国内にほとんどいない形状のため、今回の発見につながった。

 成長しても全長0・7~1・8ミリ程度。北米以外での確認事例はこれまで報告がなく、比較的最近、人間活動に伴って持ち込まれたとみられる。研究成果は4月、ブルガリアの国際学術誌「チェックリスト」に掲載された。

 生態系への影響は現段階では分からない。気になるのは、微小な外来種がどのように持ち込まれたかだ。

 牧野助教は「北米からピンポイントで新豊根ダムに来たとは考えにくいだろう。別の池や湖を経由した可能性があり、さまざまな場所を注意深く調べていく必要がある」と指摘する。

 海外のミジンコの仲間が国内で発見されたのは5例目で、いずれも元は北米に分布する種だったという。

新豊根ダムとみどり湖(4月)

河川水辺の国勢調査

 みどり湖での試料採集は、国土交通省による「河川水辺の国勢調査」の一環で行われた。河川やダムにおける動植物の分布などを調べるため、1990年度から実施されている。

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