ユネスコスクール 初の交流セミナー
2026/06/09

陸軍第15師団の司令部があった前で、豊橋ユネスコ協会のメンバーから説明を受ける参加者(提供)
平和の大切さを知る機会になった―。持続可能な開発のための教育(ESD)の拠点となる「ユネスコスクール」の児童、生徒とその保護者を対象に交流セミナー「おやこで学ぶ戦争遺跡見学・交流会」が豊橋市内で開かれ、関心を集めた。初めての試みとして主催した豊橋ユネスコ協会は「もっとユネスコスクールや地域に働きかけて継続していきたい」としている。
■学ぶきっかけ
参加したのは、ユネスコスクールに加盟する市内の豊、八町の小学校と豊橋聾学校、豊橋南高校の児童・生徒と保護者、オブザーバーの牟呂中学校を含め関係者を加え5校約30人。
協会メンバーがガイド役を務め、参加者が二つのグループに分かれて愛知大学豊橋キャンパス内で、今も残る1908(明治41)年に設置された陸軍第十五師団の司令部のほか、戦病者や病死者を弔った養生舎、機銃廠(きじゅうしょう)などを見て回った。
また、その周辺で、軍用鉄道として利用された渥美線から兵器を保管する兵器支廠への引き込み線跡、航空燃料の不足を松ヤニで補うため採った採取跡などを巡った。
この後、栄校区市民館で交流会が開かれた。あいさつした協会会長で愛大の渡邉正名誉教授は、ユネスコの精神である「心の中に平和のとりでを築く」の重要性を語った。そのうえで「軍都・豊橋」ってなに?戦争遺跡ってなに?戦争末期の豊橋ってなに?と豊橋の戦争の歴史を考える三つのポイントを挙げ、「その一部を見学したが、全体像を想像して学ぶきっかけになれば」と呼びかけた。
意見交換もあり、参加者は「身近なところに戦争遺跡があると知らなかった」「戦争の歴史を知る機会になった」などと話した。「何のための戦争だったか」と平和の尊さを見つめ直すきっかけになったという参加者もいた。
■77から10に
ユネスコスクールを巡っては、2014年に名古屋市などで開かれたESDのユネスコ世界会議を機に増え、豊橋市教育委員会も推進したことで15年3月までに小中74校全校がユネスコ(国連教育科学文化機関)から認定を受け、さらに3校が加盟した。その後、推進を改め各校の判断に委ねたことで認定解除が相次ぎ現在、昨年に加わった豊橋南高を含め計10校となった。
協会では、全校認定時にユネスコスクールフォーラム(インターネットも含む)を8回開き、数校ずつが活動を発表し、交流を図った。
今回のセミナーは同じユネスコ仲間として支援して連携を図るため、「一緒に活動する場をつくろう」と5月30日に開いた。渡邉会長は「みんなが率直な感想や意見を述べ合い、良かった。より効果的に行うためにはどうしたら良いかを考え、続けていきたい」と語った。
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ユネスコスクール ユネスコ(国連教育科学文化機関)が提案する持続可能な開発のための教育(ESD)を推進する拠点校。貧困や環境、人権、平和などの問題解決を目指す人材を育てる活動に取り組む。世界167カ国・地域約1万校が加盟している。国内では2026年3月末時点で認定を受けた1065校が活動する。