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アイシングループ内外への存在感を/トップインタビュー・小山一人社長/アイシンシロキ
2026/07/24

小山一人社長
東海日日新聞社の地元企業情報「ソース・企業」に参画しているアイシンシロキ(本社=豊川市千両町)。本面では、6月に就任した新社長、小山一人氏に就任の抱負や今後の展望について聞いた。
―就任にあたって
アイシンではそのほとんどを生産現場で過ごしてきました。アイシンシロキにはグループ傘下3年後の2019年から2年間、副社長を務めていたので、今回が2度目の着任になります。
社長就任前には3年間アイシンの北米地域を統括する本部長としてアメリカに渡りノースカロライナ、イリノイ、インディアナ、テネシー、カナダと各拠点を飛び回りました。
実は父親が豊川市の出身。豊川海軍工廠の空襲を堤防近くから目撃していたという話も聞いていたので、豊川という地域には縁があると感じています。
―経営方針について
前社長の田中が進めてきた方針を変えることなく、さらに「一つ一つの質を高める」方向で臨んでいます。
そのうえで重視しているのがアイシングループ内でのシロキの立ち位置を強化することです。シロキが強みとする生産技術の高さをグループ内外に、もっと発信していく必要があると考えています。
アイシンの経営理念である「移動に感動を、未来に笑顔を」の実現に必要不可欠な新製品開発においても、シロキが技術力を高め、グループ内外に競争力を持つことが前提になると思います。
―副社長時代から取り組む、治具レス工法について
量産が終わった後も車は走り続けるので部品を供給しなければなりません。ところが生産するには車種ごとに金型や治具(じぐ)が必要で、その保管スペースが大きな負担になります。この課題を解消するため副社長在任中に「治具なしで溶接などの工程をやれないか」と社内に指示し、治具レス、ロボット化を進めてきました。その後も外部企業と共同開発を進め、今年のロボットテクノロジージャパンに出展。3日間で4000人がブースを訪れ、開発チームは今も全国からの問い合わせ対応に追われています。少量生産に向くので自動車関連だけでなくさまざまな製造業からの引き合いも多いです。今後は大手企業との提携も視野に入れながら事業化につなげたいと考えています。
―電気自動車(BEV)の今後についての見方は
今はBEVのシェアが落ちていますが、いずれ巻き返すと読んでいます。自動運転との相性が非常に良いからです。自動運転が普及したときにBEVの方がモーター制御だけで済むため、ガソリン車より制御しやすい。そこが普及の引き金になると見ています。
アメリカでBEVが受け入れられなかった最大の理由は、国土の広さと充電インフラの不足ですが、この問題が解消されれば話は変わります。そういった将来を見据えてロール成形による高強度材料への対応にも投資を続けています。
―地域貢献や創立80周年の取り組みについて
サッカー大会「アイシンシロキカップ」やビオトープの地域開放などこれまで同様、地域貢献活動は継続していきます。
自動車部品ができる仕組みを楽しみながら体験し、子どもたちにものづくりへの興味を持ってもらおうと、グループで取り組むベーゴマ作り教室も、グループの中では当社が一番積極的に開催しているのではないでしょうか。今後もものづくりの現場を次世代に伝える機会を設けていきます。
今年創立80周年。11月に式典を行いますが、形式的なものではなく、社員の皆さんと80年の節目を分かち合える場にしたいと考えています。
―求める人材像は
ものづくりに興味を持ち、新しいことに前向きに取り組む人を求めています。自動車を取り巻く変化が激しい時代だからこそ、新しいことへの挑戦が不可欠。当社はチャレンジしようとする姿勢を応援する社風です。治具レス技術の開発チームのように「世界を取りに行くぞ」という気概で仕事に打ち込む人材が育ってくれればうれしいですね。
※聞き手=東海日日新聞社・白井収社長