出荷予定量は36キロで「今年も良い出来」/新 城
2026/06/17

繭かき作業をする滝本さん夫妻(手前)と海野さん(新城市出沢で)
新城市唯一の養蚕農家・滝本雅章さん(74)=同市出沢=が14日、繭の出荷に向け、蔟(まぶし)から繭を取り出す「繭かき」を行った。出荷後、絹糸に加工され、「赤引糸(あかひきのいと)」として「お糸船(いとせん)」で伊勢神宮に奉献される。
滝本さんは、地元の養蚕農家・故海野久栄さんの後継として6年前に継いだ。蚕の餌となる桑の葉を10アールほどの畑で育て、海野さんが使っていた「蚕室」で蚕を育てている。
今年は先月7日にふ化。5日に蚕に繭を作らせる格子状の道具「回転蔟(まぶし)」に入れる山入れ作業とともに繭かき作業を行い、出荷準備が整った。滝本さんは「今年も良い出来」と微笑んだ。出荷予定量は36㌔と例年並みだという。
この日の作業には、海野さんの長男でJA愛知東組合長の文貴さんと姉らが手伝いに駆けつけた。滝本さんの母親で100歳になった富さんも検品作業に加わった。7歳から蚕の世話をしており、「家族一緒に作業してきて幸せ。嫌になったことはない」と笑顔を見せた。
出荷した繭は、群馬県の製糸工場で絹糸になる。7月3~4日に「赤引糸」として伊勢湾を横断する伊勢湾フェリー「お糸船」で伊勢へ運ばれ、伊勢神宮に届けられるという。
奥三河地方では約1300年前から蚕を育て、絹糸を伊勢神宮に奉納していたと言われている。応仁の乱(1467年)で途絶えたが、1901年に復活した。