生け花×絵画 花道家と初のアートコラボ
2026/07/14

アートコラボレ―ションをPRする大野さん(東海日日新聞社で)
学芸員、画家、ドラマーの「三つの顔」を持つ豊橋市の大野俊治さん(73)は、画家として新たな挑戦をしている。豊田市稲武町の瑞龍寺(ずいりょうじ)で、名古屋市の花道家、小川珊鶴(さんかく)さんの生け花と自らの絵との初のアートコラボレ―ションを披露している。東日新聞は、「どんな化学反応が起きるか」と期待を寄せる大野さんに、新たな試みとその意気込みなどを聞いた。
―どうしてコラボに発展したのか
3月、館長を務めた豊橋市民文化会館ホールの改修を記念した特別展に、おおきなおじさんシリーズの一つで絵画「FLOWER ARTIST」を出展したのがきっかけ。「そのモデルが珊鶴さん」と訪れた作家に告げたのが珊鶴さんに伝わり、その縁でコラボが実現した。
―コラボの目的は
珊鶴さんは平成芸術花院を主宰し、花道家で知られる。「地域資源を生かした稲武の観光・文化の活性化」などのため、2024年から瑞龍寺を拠点に稲武アートコラボを展開する。今回が5回目。大野さんが作品を選び、展示した。
―寺での開催も初めて?
そう。山門をくぐると、内側のシダレザクラの巨木が歴史を感じさせ、その先の本堂へとつながる。その後ろには山。このシチュエーションに絵画、それを盛り立てる生け花が加わり、どんな化学反応が起こすか。楽しみにしている。
―作品の目玉は
やはり「FLOWER ARTIST」。冬のイメージでスイセンを生ける珊鶴さんの肖像画。繊細ながらも行動力ある姿を表した。「現代の十六羅漢」の一人に例え、個性的で優れた花道家として捉えた。
―ほかにどんな作品があるのか
タイトルは「稲武怪奇譚(かいきたん)。約30点を並べた。ほかに仏像をイメージした仏画、人魚や鬼、かっぱをモチーフにした絵画やオブジェを出している。花がそのつど生けられるという。すでに5日から始まっており、8月23日までの毎週日曜日、祝日とお盆まで。入場無料。気楽に足を運んで下さい。
―ところで、この春は週4回、特任学芸員として碧南市藤井達吉現代美術館に通い、合間を縫ってイベントが相次ぎ、大変だったのでは
特別展には旧友や絵に関心を持った人たちのほか、豊橋市美術博物館学芸員を務めたこともあり、顔なじみを含め来場者は約1100人と反響があった。初日、ドラマーとしてバンド仲間と開いたライブで特別展に花を添え、「三刀流」の健在ぶりを示せた。
休むことなく、美術集団「从(ひとひと)会」を率いる49回展にも、日常生活を描いた自画像4点を出した。面白さに共感を持つ人が多く、反応は良かった。大変ながらも少しは文化芸術に貢献できたと思っている。
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■大野俊治さん 豊橋市美術博物館学芸員などを経て市民文化会館館長を務めた。現在、碧南市藤井達吉現代美術館特任学芸員。木本文平館長は「『画家、ミュージシャン、研究者の三刀流』と言っても過言であるまい」とたたえる。1988年から「从(ひとひと)会」展に参加し現在、会の代表。