東三河8市町村19年度重点施策

2019/01/12

 東三河懇話会(吉川一弘会長)が10日、豊橋市内のホテルで開いた「東三河8市町村長を囲む新春懇談会」。各首長らは「持続可能な開発目標(SDGs)」をテーマに話し合った。地域の将来を見据え、活力あるまちづくりを進めるため具体策が示され、意見交換された。本欄では懇談会の席で資料として配られた8市町村の「2019年度重点施策」を順次掲載する。

「誰一人取り残されない世界の実現」/豊橋市

 本年は平成の時代が幕を閉じ、新たな時代を迎えます。新しい年が東三河の皆様にとって夢と希望にあふれる素晴らしいステージとなるよう、これまで以上に地域が一体となって、まちづくりにまい進してまいります。

 本市では、「誰一人取り残されない世界の実現」を基本理念に掲げるSDGsに沿った様々な事業に取り組んでいます。例えばインドネシアでの水道技術支援やボルネオ島での生物多様性保全活動などの国際貢献に資する取り組みのほか、バイオマス利活用センターの整備による地球温暖化防止や循環型社会の推進、フードバンク事業による貧困対策など多くの施策にSDGsの理念を取り入れ、行政課題の解決や地域活性化に役立てています。新年度におきましてもこの理念を積極的に取り入れ、誰もが安心して暮らせる地域を目指し、「持続可能な豊橋」、そして「持続可能な東三河」を推進してまいります。

 【平成31年度重点施策】
 1、未来(あす)をひらく元気づくり
 ■活力みなぎる産業の創出
 喫緊の課題である雇用確保をはじめ人材育成、産業インフラの整備に取り組みます。

 中小企業のさらなる振興を図るため、人材育成に係る支援のほか、設備投資や販路開拓などへの助成を引き続き行います。また、昨年オープンした豊橋イノベーションガーデンにおいて、起業を目指す方や技術者など多様な主体による連携を進め、新規産業の創出や起業の促進を加速化してまいります。さらに産業用地の確保に努め、企業誘致にも積極的に取り組み産業基盤の強化を図ります。

 また、国のキャッシュレス化の動向を踏まえ、この地域の市民と事業者それぞれが付加価値を享受できるキャッシュレスに対応した社会への取り組みを進めます。

 農業分野においては、今春開駅する道の駅「とよはし」内にあわせてオープンする地域振興施設「Tomate(トマッテ)」を拠点とし、異業種が連携するプラットフォームを立ち上げ、豊橋ならではの農産加工品の開発と販売を行います。

 ■未来に羽ばたく人づくり
 未来を生き抜く力として、心豊かで夢と確かな学力を持った人材の育成につながる学校教育を推進します。児童・生徒の学力と体力の向上を図るため、小規模学校での合同授業を拡大するほか、学習用コンピュータの充実や中学校へのスポーツトレーナー派遣による体づくりへのアドバイスを引き続き実施します。また、学習環境の充実を図るため、空調設備の設置や学校施設の計画的な改修、学校給食共同調理場の再整備を進めます。

 また、英語を学ぶ教育機会の拡大のため、小学校低学年における授業を実施するほか、情報化社会に対応するためのプログラミング教育の環境整備にも力を注いでまいります。また、来日間もない外国人生徒がスムーズに学校生活に溶け込めるよう、生活適応支援や日本語指導を行う初期支援校を充実します。

 ■選ばれるまち豊橋の実現
 定住・交流人口の増加を図るため、本市の様々な魅力を磨き、発信するシティプロモーションをさらに推進します。テレビや映画のロケ誘致活動を引き続き行うほか、本市の魅力を伝え、移住や交流を進める取り組みを実施します。

 「スポーツのまち」づくりを推進するとともに、スポーツによりまちに人を呼び込みにぎわいを創出するため、プロスポーツだけでなくコンサートなど多目的な活用ができる新アリーナ構想の検討を進めます。

 また、東京オリンピック・パラリンピックへ向け、大会出場を目指す本市出身アスリートへの支援や広報活動を行うとともに、昨年決定したリトアニア・パラリンピック選手団の受け入れの準備を進めるほか、本市がホストタウンとして登録のあるドイツ及びリトアニアを中心に事前合宿誘致に継続して取り組みます。

 開館5周年を迎えた「穂の国とよはし芸術劇場プラット」は、創造的・文化的な表現活動のための環境づくりに功績のあった公共文化施設として、この度「地域創造大賞」総務大臣賞を受賞することとなりました。本年におきましても、演劇の特別記念講演をはじめとした様々なイベントを開催し、芸術文化の創造・発信に取り組みます。

 また、創立10周年を迎える豊橋青少年オーケストラキャンプにおいては、ドイツより著名管弦楽団を招へいし、記念コンサートを実施するなど、ハイレベルな文化・芸術に触れる機会を提供します。

 2、未来(あす)をささえる安心づくり
 ■安心して子育てできる暮らしの実現
 切れ目のない子育て支援に向け、市の子育て支援施策を円滑に利用できるよう、様々な情報提供や保育所への入所などの利用者支援の充実を図るほか、認定こども園の整備を進め、子どもを産み育てやすい環境を整備します。

 こども若者総合相談支援センター「ココエール」では、増加する子育て相談に対応するための体制強化を図り、子ども、若者たちの健やかな育ちを支えます。

 また子どもの将来がその生まれ育った環境に左右されないよう、学力の向上や就職に向けた支援など、子どもの貧困対策を推進します。

 ■いきいきとした長寿社会の実現
 誰もが生き生きと暮らすことができる「健幸」なまちづくりを進めるため、これまで取り組んできたAI(人工知能)による介護ケアプランをベースとし、市民生活のケアまで見据えた「AIケアシティ形成事業」を推進します。また、受動喫煙による健康被害をなくすため、条例の制定を通じた対策を推進するほか、中小企業の従業員を対象に健康サポートを進める「健康経営事業」にも取り組み、健康寿命の延伸に努めます。

 また、東三河の中核病院である豊橋市民病院では、最新の医療技術と患者にやさしい治療を提供する「手術センター棟」がこの春オープンします。高性能な内視鏡手術室など専門医療機器やスタッフの充実により市民、医療者に選ばれる病院を目指します。

 ■災害に強い暮らしの実現
 昨年は強い勢力の台風が幾度となくこの地域に来襲し、浸水被害や農業被害、さらには大規模停電が発生するなど、市民生活を脅かす自然災害が猛威を振るいました。激甚化する大規模自然災害や切迫する南海トラフ地震に備えた防災・減災対策を充実させ、誰もが安心で安全に暮らすことができる強靭(きょうじん)なまちづくりを進めます。

 こうした取り組みの一つとして、避難所の機能向上を目指し、マンホールトイレを増設するほか、市内で3カ所目となる梅薮地区津波防災センターの整備や老朽化した中消防署前芝出張所の建て替えを進めます。

 3、未来(あす)をつなぐまちづくり
 ■持続可能なまちづくり
 昨年策定した立地適正化計画では、都市機能誘導区域に加え居住誘導区域を設定しました。公共交通の利便性が高い地区への転入・転居者への助成のほか、渥美線南栄駅のバリアフリー化や路面電車の軌道敷改修への支援など、歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりを進めます。

 また、にぎわいと活力に満ちた中心市街地とするため、引き続き再開発事業を支援するとともに、2021年度の開館を目指す「まちなか図書館(仮称)」の整備を進めます。さらに歩行者を中心としたまちなかの回遊性向上に向け、中心市街地に潤いのある景観を創り、歩く楽しみを新たな魅力に加えるストリートデザインを施します。

 ■ECOなまちづくりの実践
 地球温暖化対策に対して地方から積極的に貢献するため、本市は昨年10月に「世界首長誓約/日本」に署名しました。家庭用エネルギー設備などの持続可能なエネルギーの利活用を促進するとともに、国の温室効果ガスの削減目標を上回る数値目標を設定するなど、気候変動に適応した環境にやさしい地域づくりを進めます。

 また、本市の豊かな自然環境を次世代に継承するため、ネイチャースポットの情報発信を充実させ、観光資源としての活用も進めます。

 さらにごみの焼却処理を安定的に行うため、田原市と連携し、広域処理に向けた検討を継続するとともに、燃やすごみに多く含まれる雑紙のリサイクルを推進し、ごみ減量とリサイクル率向上を図ります。

 ■新たな広域の地域づくり
 昨年4月には、8市町村の介護保険者を統合させ、東三河広域連合による介護保険事業がスタートしました。今後も安定した介護サービスの提供に努めるとともに、介護人材の定着に向け事業基盤の強化に努めます。

 また、地域外からも若者等を積極的に呼び込み、地域への定着を目指す地方創生に資する事業など、地域の持続的な発展のための取り組みを推進します。

 昨年10月には本市において三遠南信サミットin東三河が開催されました。サミット宣言で基本合意された、「第2次三遠南信地域連携ビジョン」に基づき、大都市圏や世界と結ばれる広域連携都市圏の形成を目指し、「日本の県境連携先進モデル」として県境連携を推進してまいります。

 また、「浜松三ヶ日・豊橋道路(仮称)」の概略ルート・構造を検討する計画段階評価が着手され、広域道路整備に向けまた大きな一歩を踏み出しました。名豊道路や設楽ダム、三河港、スマートICなど地域の発展に欠かすことができない主要なインフラ整備のため、引き続き国県へ働きかけをしてまいります。

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