蒲郡市 採用活動に本腰

人手不足深刻な介護保険認定調査員/4月から報酬増額/新年度までに4人

2017/02/03

 蒲郡市は、介護保険の認定調査員の深刻な人手不足に悩まされている。介護業界全体の採用難で民間事業所からの引き合いも多いなか、新年度までに4人を採用しなければならない。報酬を増額するなどして、採用活動に本腰を入れている。

 市の認定調査員を務めて11年目になる女性(60)は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を持つが、専ら調査員として働いてきた。子どもは独立し、夫と二人暮らし。家庭と両立できる調査員が向いているという。

 非常勤職員のため、5年ごとの更新、再試験はあるものの、勤務は週5日で1日6時間45分。土日はきちんと休むことができ、残業もない。「人の人生に深く関わるケアマネの仕事に、やりがいを見いだす人もいる。向き不向きがある」と話す。

 1月末、市内のケアハウスに83歳の女性を訪ねた。健康状態や暮らしぶりなど、チェックシートに沿って74項目の質問をする。特に排せつに関する質問は気を遣う。「失礼なこと聞いてごめんなさいね」と前置きする。注意深く観察しながら、相手への敬意は忘れない。この女性は昨年、圧迫骨折で入院した。身の回りのことは自分でできるが、腰が曲がってしまい、部屋の掃除が行き届かないことに困っているという。

 本人への聞き取りの後、施設職員の所見と照らし合わせる。「自立して生活されている。見た目で分からないだけに、掘り下げて聞く必要がある」。質問を終えていったん部屋を出たものの、気になることがあった。部屋に戻って調べると、常用薬の大量の飲み残しがあることが分かった。

 市内では年間約4500件の要介護認定の申請がある。社会福祉協議会の外部委託を除くと、調査員1人当たり月30件ほどを担当する。

 2016年度は調査員7人でスタートしたが、3人が辞め、年度末にはさらに1人が退職。民間の介護事業所へ移るケースが相次いでいる。

 ケアマネ有資格者で経験0年の場合、平均給与は21万7000円、賞与などで13万7300円(企業規模10~99人の場合。厚生労働省15年調査)。蒲郡の調査員はこれまで月18万4600円と、給与面で不利だった。

 そこで今年4月からは、月額報酬を18万6300円に引き上げ、調査1件につき900円を加算することにした。1カ月の平均訪問件数32件とすると、加算額は2万8800円が見込める。

 介護保険法では申請から認定までの日数を原則30日以内と定めているが、蒲郡では40日強かかっているのが現状だ。更新の場合、保険の空白期間を自費でまかなわなければならず、トラブルを招く。

 東三河他市の調査員数は16年8月現在で、豊橋10人(嘱託職員)、豊川15人(同)、新城11人(臨時職員)、田原10人(同)。豊橋、蒲郡両市は調査の一部を社会福祉協議会へ委託している。東三河広域連合による介護保険事業の統合が18年度に始まるが、調査員の所属については検討段階だという。

 市長寿課の三浦正博課長は「大変な仕事だが、使命感とやりがいを感じていただけるはず」と期待を寄せる。

 4月採用の介護認定調査員(非常勤)の試験は3月5日。今回の募集では3人を採用予定。応募は2月15日まで。

 問い合わせは、長寿課=電話0533(66)1176=へ。

2017/02/03 のニュース

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