織田信長=「大猿」「黒鼠」

豊橋・金西寺文書に辛辣な批判記述/恨み つらみ込め「苛政暴虐枚挙に堪えず」/弾圧時の仏教界感情示す

2017/02/03

 豊橋市下条東町の金西寺に伝わる文書の「當寺御開山御真筆」に、戦国武将の織田信長を批判するような記述が見つかった。調査した専門家は、仏教を弾圧した信長に当時の仏教界が抱いた感情を理解する上で貴重な史料だとしている。

 「當寺御開山御真筆」は、江戸時代を代表する高僧の月岑牛雪大和尚が1619年頃、金西寺を開く際に書いたとされる。寺宝として長く収蔵されていたが、高崎俊幸住職(60)が豊橋創造大の島田大助教授(53)=日本近世文学=に解読を依頼した。

 その結果、文書の冒頭に江湖散人という僧侶の詩文が引用されていることが分かった。1582年6月の本能寺の変の翌月に書かれたとみられるその詩文では、仏教を弾圧した織田信長を「大猿」「黒鼠」と蔑(さげす)むように表現し、「苛政暴虐枚挙に堪えず」と告発している。信長の治世を公家が糾弾した例はあるが、僧侶がここまで過激に書くのは珍しいという。

 江湖散人と同一人物とされる集雲守藤は、子どもの頃に信長による比叡山延暦寺の焼き討ちを間近に見た可能性がある。辛辣な書きぶりから、島田教授は「信長に対する恨み、つらみが普通ではなかった」と当時の仏教界の心情を推し測る。

2017/02/03 のニュース

月岑牛雪大和尚の肖像画の前で「當寺御開山御真筆」を持つ高崎住職㊧と島田教授(豊橋市役所で)

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