行政へ公共関係のチェック訴える

地元住民は周辺の危険度把握を/東日本大震災から12年/北大・平川名誉教授が「やしの実FM」出演/南海トラフ地震に備え呼びかけ

2023/03/12

「東日本大震災と南海トラフ地震」について語る平川名誉教授。手前がパーソナリティーの前川さん(豊橋市内で)

 東日本大震災から11日で12年がたった。北海道大学名誉教授で豊橋市老津町に住む平川一臣さん(津波堆積物)は10日、地元の「やしの実FM」の番組にゲストで出演し、「東日本大震災と南海トラフ地震」について語った。予想される南海トラフ地震に備え、行政側に公共関係のチェックを訴え、地元の人たちに周りの危険度を把握するよう呼びかけた。

 ■逃げようがない
 平川名誉教授は、大震災の約1カ月後に東北入りし、数年間かけて検証した。「がれきの山」。すべてが押しつぶされ、積み重っていた。「こんなことが起きる」「やっぱり起きた」と感じながら、調査した思いを吐露した。

 警察庁の発表によると、東日本大震災で死者は2月末現在で1万5900人、行方不明者が2523人。節目の12年を迎え、「あれに近いぐらいなものが起きるだろう」と南海トラフ地震を警戒する。

 中でも重視するのが津波の到達時間。東日本で沿岸部まで30分弱だったのが南海トラフで約10分と早く、「逃げようがない」。

 言い換えれば「地震を避けようがない」「対応ができない場合もある」と考える。このため、蒲郡市、豊川市、豊橋市を経て静岡県浜松市に通じるバイパス機能の道路を例に挙げ、行政側に対し「どこが崩れるかを事前に把握する必要がある」とし、「全体的に何が起きるかをチェックしておくべきだ」と強調する。

 地元の人たちに向け、「自らが関わっているところは何が問題か」。せめて校区単位で「一人一人がとらえておくことが肝心」と指摘する。

 東日新聞の連載「渥美半島の成り立ち」でもおなじみだ。「これからも随時、紙面で問題点を指摘していきたい」と語った。

 ■自分で考え行動
 番組の「ここなっつふらいでぇ」のなかのコーナー「宮城県閖上(ゆりあげ)・亘理(わたり)・山元から届く~東北の風」で、平川名誉教授はパーソナリティーの前川みどりさんの進行で話を進めた。

 前川さんは被災地の仙台市の出身。番組後、「身の回りのことは自分で考えて行動を移さないといけないと思った」と話した。

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