災害発生時想定し民間と共同研究/豊橋市
2023/03/12
ドローンを飛ばす「レッド ゴブリンズ」(豊橋市提供)
豊橋市は、災害発生時に家屋の倒壊状況をドローン(小型無人機)と人工知能(AI)で把握するための研究に、民間企業と共同で取り組んでいる。
市と富士フイルムシステムサービス(東京)は昨年4月、被災者が公的支援を受ける際に必要な罹災(りさい)証明書の発行業務などの共同研究に関する協定を締結。同協定に基づき、市のドローン飛行隊「RED GOBLINS(レッド ゴブリンズ)」が撮影した市内の空撮画像を使い、同社の独自技術で被災した家屋を判別できるかどうかを研究してきた。
市によると、全壊した家屋は判別できることが分かった。ただし半壊や窓ガラスの破損は判別できなかった。解析精度の向上に向け、さらに研究が進められている。
将来的には家屋以外に、橋など公共インフラの被災状況を判定できるようにすることも見据えているという。
大規模地震などでは被災状況を調査する自治体の業務負担が重く、証明書の発行に時間がかかることが課題になっていた。
市防災危機管理課の星野好史課長補佐は被害認定調査について「やみくもに行くわけにはいかない。一定の方向づけをしてもらえると、災害復興の迅速化につながる」と話し、ドローンとAIを組み合わせた技術開発に期待を寄せる。
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