東三河/旬の野菜を求め、多種類の農畜産物に人気
2023/11/21
ダイコンの収穫体験に参加した人たち(豊川市内で)
台風に伴う豪雨の直後で開催された前回を除き、回を重ねるごとに来場者を増やす人気のオープンファーム(OF)は19日、東三河を中心に開かれ、47の生産者などが参加した。豪雨の影響で来場者が激減したマルシェにJA豊橋が新たに加わり、大勢の人たちが旬の野菜を求めて詰めかけた。「個性派の5農家」による「一日食品スーパー」には多種類の農畜産物が並び、人気を集めた。主催する豊橋市のOF実行委員会は来場者の集計中だが、「過去最多を更新するのでは」と期待する。
■盛況
会場の一つ、豊橋市豊清町の干し芋(いも)製造販売の「サンアグリフーズ」には、おなじみの「佐藤海苔(のり)」のほか、「ラグランファーム」、「ten」、JA豊橋グリーンセンター磯辺が初参加してマルシェをつくった。
農産物はいずれも2~3割安。中でも来場者の目当ては、JAコーナーに設けられたジャガイモやニンジン、タマネギの袋詰め。周りにたくさんの人が群がった。鍋用の材料としてホウレンソウやシイタケ20~30束が用意されたが、1時間ほどで売れる盛況ぶり。ミズナや白ネギも飛ぶように売れていた。担当職員は「出店できて良かった」と喜んだ。
サンアグリフーズも用意した密芋100キロが売り切れ、30キロを追加したほどだ。卵を使ってドーナツを販売したtenは「これまでで一番売れた」と話した。キッチンカーも出てイベントを盛り上げた。
前回は台風2号の影響で来場者が前々回の20%に落ち込んだ。しかし、この日は好天に恵まれて開店前に地元のほか西三河、名古屋から来た100人以上が3列の行列をつくり、2カ所の駐車場は終日、満杯状態だった。
企画したサンアグリフーズ広報担当の中川絢衣子さんは「前回を反省して広報に力を入れ、消費者を呼び込むためにどうすれば良いかと考えた」と語った。
■ごった返す
また、「個性派の5農家」が豊川市金沢町の元すし店で開いた「一日食品スーパー」には午前中、地元で行事に参加した人がそのまま訪れ、店内はごった返した。静岡や名古屋から来た人もあった。
会場に並んだのは加工品も含め農畜産物50種以上。こちらも平均で市価の2、3割安。参加を働きかけた「あおば農園」の自慢のダイコン、「ハートヘルスファーム」のイチゴ、「ももぱぱのやさい畑」のホウレンソウ、原田農園の次郎柿、「かわいフォーム」の「えいこ米」が売れていた。あおば農園は近くの畑でダイコンの収穫体験も行った。
田原市赤羽根町の加工品販売「雅風」では、「FingerLimeBase」が「森のキャビア」と呼ばれるフィンガーライムを販売し、近くで農園見学を開いた。鈴木豪担当は「初の参加だったが、PRできて良かった」と顔をほころばせた。
開放された農場を周遊しながら農産物などのショッピングを楽しむ農業イベント。実行委員長で、コチョウランの生産、販売を手掛ける豊橋市細谷町の「リーフ」の尾崎幹憲社長が呼びかけ、2020年11月、初めて開いた。最初は10の生産者などが参加した。台風直後の前回の6月が最多の54。来場者も台風の影響にもかかわらず、前々回の一昨年11月と同じ最多の延べ約3500人だった。今回で6回目。