全国高校野球選手権愛知大会/接戦の福江も勝ち上がる
2024/07/01
豊橋工科は全員で声を掛け合い今季初勝利をつかみ取った(豊橋市民球場で)
第106回全国高校野球選手権愛知大会は30日、豊橋市民球場など県内9球場で1回戦が行われ、東三河勢は豊橋工科と福江、豊橋中央が勝ち上がった。
豊橋市民球場の第1試合は、豊橋工科が3―2で海陽学園を下し、今季の公式戦初勝利を決めた。
豊橋工科は初回に先制点を挙げ、4回も1点、7回には伊藤大輝と鈴木遥大、松佑樹の連続安打などで勝ち越した。
投げては、継投の中神翔真が5奪三振で相手打線をピシャリと抑え切った。
同球場の第2試合に予定していた蒲郡東×半田商は、雨天中止で延期された。
▼1回戦
【豊橋市民球場】
豊橋工科
100100100-3
001100000-2
海陽学園
(豊)山口、中神―芹口、井上
(海)下地―横井
【阿久比球場】
豊丘
011002000-4
00110023χ-7
半田工科
(豊)芳賀、上島、夏目―石田
(半)印宮―大場
【岡崎レッドダイヤモンドスタジアム】
福江
040001000-5
020000110-4
豊田南
(福)鈴木―勝見
(豊)鈴木、森上、上田―上田、早坂
【瑞穂球場】
時習館
0000000-0
022201χ-7
豊橋中央
(時)鈴木―中村
(豊)前島、谷奥、内山―松井
※7回コールド
6日の試合予定(6月30日夕判明分まとめ。変更などは県高野連のホームページに掲載)
▼1回戦
【岡崎レッドダイヤモンドスタジアム】
国府×幸田(午前8時45分開始)
▼2回戦
【豊橋市民球場】
蒲郡東×半田商(午前8時45分開始)
豊川工科×東浦(午後3時開始)
秋季東三河予選で4連敗、春季東三河予選も4連敗を喫した豊橋工科が、夏の大会で海陽学園に競り勝ち、今季公式戦初めての勝利を挙げた。
早朝から雨が降り続く難しいコンディションの中で試合は始まった。豊橋工科は初回に幸先良く先制点を奪うと、先発の山口翔大が2点を失いながらも6回まで粘り強く投げた。
7回に上位打線で勝ち越し。マウンドを託された中神翔真が5奪三振の好投で相手打線を抑えた。
指揮を執る木村陸人監督は「重苦しい展開だったが、先制点を取って少し落ち着いた。初戦の緊張がある中で、自分たちの野球を最後まで貫き、決勝点につながった。チーム全員が声を掛け合い我慢強く戦った」とチーム初勝利を喜んだ。
バス2台、約120人が拍手と声援を送る海陽学園の応援席から、打席に立つ久田有毅へ「ハッピー・バースデー」の歌声が流れた。
高校最後、夏の大会の1回戦が18歳の誕生日。必死で野球に打ち込んできた久田にとって思い出に残る試合だった。
下地宇宙の先発登板に伴い、山下勇一監督はチーム編成を変更し、今春まで中堅手だった久田が遊撃手を任された。
久田は「遊撃手の守備に不安はあったけれど『自分がやらなければ』と覚悟を決めた。打席で歌声が聞こえて、期待に応えられず本当に悔しい」とうつむいた。
中高一貫6年間を一緒に過ごした仲間たちへ「勝利を届けたかった。みんなと一緒にもっと戦いたかった」と言葉少なく目頭を押さえた。