HPVワクチン「キャッチアップ接種」/無料接種は今月中に開始必須
2024/09/16
子宮頸(けい)がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを巡り、摂取の機会を逃した一部年代の女性対象の無料救済措置「キャッチアップ接種」が、2025年3月末で終了する。ワクチンの必要な接種回数や間隔などの理由で、無料での接種を希望する場合、9月中の接種開始が必須で、厚生労働省は、希望者は早めに接種検討をするようホームページ(HP)などで呼びかけている。
キャッチアップ接種の対象は、1997年度~2007年度生まれで、これまでにHPVワクチン接種を計3回受けていない女性。その期間は接種後の症状について十分な情報提供ができなかったことから、接種を勧める取り組みが控えられていた。21年の専門家会議で安全性や有効性が確認され、22年から接種を勧める呼びかけが再開。現在は小学6年~高校1年相当の女性を対象に、定期接種が行われている。
同省によると、子宮頸がんは、HPVの感染が原因と考えられている。このウイルスは女性の多くが〝一生に一度は感染する〟とも言われ、ほどんどの人ではウイルスは自然に消えるが、一部の人でがんになってしまうという。
日本では毎年約1万1000人の女性が子宮頸がんになり、毎年約2900人の女性が死亡。患者は20歳代から増え始め、30歳代までにがんの治療で子宮を失うなど、妊娠できなくなる人も年間約1000人いる。
同省は「ワクチンには効果やリスクがあり、かかりつけ医などに相談してほしい」と呼びかけている。同省HPには子どもや親が見てもわかりやすいワクチンや子宮頸がんについて説明するパンフレットなどが公開されている。
ワクチンは3回接種で約6カ月かかるため、定期接種の最終年度にあたる高校1年生相当の女性も、希望者は9月中の接種開始を勧めている。