豊橋・安久美神戸神明社/面は、11日の「豊橋鬼祭」に披露
2025/01/31
面を奉納する北沢さん㊧(安久美神戸神明社で)
豊橋市八町通の安久美神戸神明社(平石雅康宮司)は30日、2月10、11両日の「豊橋鬼祭」で使用する黒鬼面の完成を神前に奉告する完成奉告祭を行った。面は、11日に披露される。
奉告祭には、面を制作した同市出身の面司、如意ノ坊三世・北沢美白さん(38)や鬼祭奉賛会、豊橋鬼祭保存会、黒鬼役を担う飽海町内、氏子ら約20人が出席。北沢さんが面の入った箱を奉納した。
黒鬼面は、5月に「奉製開始奉告祭」が行われ、北沢さんが境内の潔斎殿(けっさいでん)で5日間こもる「精進参籠」のうえ、木型を彫刻。古面の断面から類推し、京都の嵐山の工房で、木型に和紙を漆で貼り重ねる「乾漆造」の技法で作り上げた。
漆でかぶれるなど「過酷な作業だった」と振り返る北沢さんは、「長く地域の人々に愛される面になれば」と話した。
黒鬼は、鬼祭最大の見せ場「赤鬼と天狗のからかい」の神事を見守り、最後の神事「年古の御玉引」の審判役をする。また、頭をなでられると子どもが夏病みをしないともいわれる。
同神明社は2019(平成元)年から、御大典奉祝記念の神面奉製事業を始め、天狗面・赤鬼面、小鬼面、青鬼面、天鈿女命(あめのうずめのみこと)面、神庫木柵に続き、今回の黒鬼面で完了した。
平石宮司は「豊橋鬼祭が後世へと受け継がれる祭りになれば。ぜひ参加してほしい」と呼びかけた。