豊橋市消防本部/強風下 広範囲の延焼想定/住民ら初期消火体験や連携確認
2025/02/03
住民によるバケツリレー(豊橋市梅藪町で)
豊橋市消防本部は住宅密集地での大規模火災に備え、住民との協力体制の強化に力を入れている。いったん出火したら被害が拡大する恐れのある地域で年1回、消防訓練を行っている。
同本部によると、市内には23カ所の住宅密集地がある。2016年12月に新潟県糸魚川市の密集市街地で147棟が焼けた「糸魚川大火」を教訓に、同本部は空気の乾燥する毎年冬に訓練を実施している。
2日、狭い路地に多くの住宅が立ち並ぶ同市梅藪町で大規模火災対応訓練が行われた。
1軒から出た火が強風にあおられ広い範囲に延焼しているとの想定で開始。集まった住民で初期消火のためのバケツリレーを体験した。
消防支援協定を結んでいる東愛知生コンクリート協同組合のミキサー車が運搬してきた水を組み立て式の水槽にため、そこからホースを伸ばして地域にある防火水槽の水とともに消防団と自警団で勢いよく放水した。
近くを流れる佐奈川からポンプで水をくみ上げて長い距離を伸ばせるホースで消防隊が放水したほか、同市のドローン飛行隊「レッド・ゴブリンズ」も参加して上空から被害確認を訓練した。
同本部中消防署の野末昌孝署長は講評で「住宅密集地では火災があった場合、消防だけでは対応が難しい。地元の人たちの協力も必要だ。日頃から地域の防災力を高めてほしい」と要請した。
同町の平松直也自治会長は、海沿いの地域としてこれまで進めてきた地震・津波対策に加え、防火対策にも今後力を入れていく考えを示した。