「甲子園を楽しんで」愛知豊橋ボーイズ・中野哲伸監督
2025/03/15
阿部葉太がセンバツで日本一に挑戦する
教え子の大舞台での活躍を楽しみにしている―。阪神甲子園球場で18日に開幕する第97回選抜高校野球大会(センバツ)で、優勝候補に挙がる横浜の阿部葉太主将(3年)へ愛知豊橋ボーイズの中野哲伸監督が激励の言葉を贈った。
阿部は、田原市出身。身長179㌢で体重85㌔、右投げ左打ち、中堅手。走攻守の三拍子がそろった逸材。1年の夏からレギュラーとして出場。俊足強打で総合力が高く、抜群の打撃センスを併せ持つ。横浜高校で異例となる2年の5月から主将を務める。昨秋の関東大会では、決勝で健大高崎(群馬県)に延長サヨナラ勝ち。明治神宮野球大会では27年ぶり優勝に貢献した。
◆愛知豊橋B
中学生時代、愛知豊橋Bに加入した阿部は、身体の線が細かった。ただ、運動神経は抜群で足が速かった。当時の印象について、中野監督は「静かでマジメなタイプ。頭が良くて理解力もある。左打者独特の打撃センスがあり、次につながるスイングをするように指導していた。この世代は個性豊かな選手たちがいた。チームの中心選手で主将の葉太は、いつもコーチに怒られていた」と当時を懐かしく振り返った。
愛知豊橋Bが初優勝を飾った2021年の中日スポーツ杯第16回日本少年野球中日本秋季大会。中野監督は「このチームが優勝するとは思っていなかった。一戦ごとに成長して勢いに乗った。葉太は少し調子が悪かったけれど、走攻守バランスの取れたチームに成長した」と試合を経て強くなった選手たちをたたえた。
◆横浜高校へ
当初、中野監督は阿部がこれほど活躍できる選手になると思わなかった。高校に入って、毎日の地道な筋トレなど体重が増えて長打力を身につけた。現在の姿を見て「成長にビックリしている。まさか1年の夏から試合に出るとは思わなかった。3年からレギュラーで出場できれば、と。私自身の想像を超える選手に育っている」と目を細める。愛知豊橋Bの卒団式では「けがに気をつけて頑張れ」と声をかけた。
まもなくセンバツが始まる。教え子へ向けて「気負うことなく、甲子園を楽しんで自分の打撃をしてほしい」とエールを送った。今大会の活躍次第では、愛知豊橋Bで森福允彦さんや谷川原健太(福岡SBH)以来、「3人目」のドラフト指名選手が今秋に誕生するかもしれない。