豊川市立小坂井中学校の校舎改築工事/快適な学習環境などテーマに基本設計/仮設なし全面建て替えは平成以降で市内初
2025/09/05
伊奈駅側から見た小坂井中学校の完成イメージ鳥観図(市提供)
豊川市立小坂井中学校の校舎改築工事の実施設計が来年度まで2カ年で行われている。生徒の負担にも配慮して仮設校舎を建てない全面的な建て替えは、平成以降で市内初となる。2027年度に着工し、29年度から供用を開始する予定。
基本設計はコンパクトな動線、快適な学習環境、安全安心、経済的配慮などをテーマに策定された。敷地内南側の現在の運動場に、いずれも3階建ての教室棟(延べ床面積5565平方メートル)と体育館棟(同5264平方メートル)を建設する。
教室棟は1階に特別支援教室や職員室、2階に普通教室や理科教室、3階に普通教室や特別教室、屋外テラスなどを配置する。体育館棟は1階に多目的ホールや音楽、技術教室、2階にバスケットボールコート2面分のアリーナや武道場、3階に弓道場を計画。両棟は接続し、多目的トイレやエレベーター、ラウンジも整備する。
災害時に避難所となる体育館アリーナが2階に配置されたように、防災面で配慮された。大雨で名鉄伊奈駅側の道路が冠水することから、雨水の流出を防ぐ貯留浸透槽を地下に埋設。屋上には太陽光発電を備える。
西門と東門を生徒の通用門とし、南門は給食配送車や緊急車両の出入り口にする。体育館跡地は職員、来客用駐車場になる。
再来年度から工事が始まるが、生徒は完成するまで現校舎で学習できる。移転後に現校舎が解体され、跡地に運動場(西側にテニスコート)を整備。それまでは徒歩圏内の南山グラウンドを使用する。プールは解体され、水泳授業は民間施設での利用を検討する。
同校で最も古い南校舎は築71年と老朽化が著しく、耐震面で危険と判断されている。体育館は市道を挟んで離れた場所にあり、生徒の安全・利便性に問題が生じている。