野生イノシシへの感染に備え手順など確認/豊川
2025/10/30

防護服姿でイノシシの死体を埋める埋置訓練に臨む参加者(東三河ふるさと公園で)
豊川市の県営東三河ふるさと公園で29日、野生イノシシや豚の伝染病「アフリカ豚熱」の発生を想定した県の防疫演習が2日間の日程で始まった。
近隣の県や市町を含む担当課職員ら約20人が参加し、感染したイノシシが発生した事態を想定し、県農業水産局農政部農業振興課の職員の指導の下、2班に分かれて埋置と搬出の訓練に臨んだ。
埋置では、園内の山中でイノシシの死体処理を実践。防護服を着て袖口や足首をテープで巻いた職員らが消毒作業を徹底しながら、死体を埋める穴を掘ったり、検体を採取したり、立ち入りを禁ずるテープで囲むなどした。
搬出では、死体に模した土のうを山中で回収し、車両の荷台に乗せて運搬。検査機関や焼却場に降ろすまで、ウイルスを外部に持ち出さないための作業手順を確認した。
アフリカ豚熱は国内での感染例はないが、21日に台湾で確認されるなどアジアで広がりつつある。人体への影響はないが、養豚場で感染が発生すれば全頭を殺処分することになる。
実際にイノシシが生息する同園では昨年に続く実施で、同課野生イノシシ対策室の東野敦室長補佐は「実際にやってみないと分からない部分もある。課題を抽出して改善し、近隣自治体の参考にもなれば」と話した。