⑦東栄町長 村上孝治/アクセス道に予算重点配分を/移住後押しに税制優遇の拡充必要
2026/02/05
東栄町は、本年度70周年という節目を迎え、未来に向けて新たな一歩を踏み出しました。
しかし、人口減少をはじめとするさまざまな課題が山積しています。そうした課題への対応は、小さな自治体の努力のみではあらがい難い厳しい状況にあります。
こうしたことから、国政には中山間地域の実情に即した政策展開と支援を望みます。
1.「命の道」としての適切な道路整備
本町にとって、3月14日に県内区間全線開通となる三遠南信自動車道は、生活の利便向上だけでなく、救急路や災害時に孤立を防ぐ命の道としても重要な役割を担います。
しかし、三遠南信道へのアクセス道としての国道151号などの一般国道は、のり面崩落の危険や狭隘(きょうあい)区間を抱えており、災害時はもとより、物流や観光の大きなボトルネックとなっています。
国には、こうした道路に対する予算の重点配分と、異常気象に耐えうる強靭(きょうじん)な道路ネットワークの構築を、国家的な防災・減災戦略の最優先事項として位置付けることを要望します。
2.「選ばれる町」になるための移住定住施策の抜本拡充
本町では、人口減少に対応するため、空き家バンクの活用やテレワーク環境の整備など、独自の移住定住施策を展開しています。移住者が地方に移り住むには、仕事や生活インフラなど、さまざまなハードルがあることも全国的な課題であると感じます。
町としても多様な補助制度などにより移住者支援を行なっていますが、社会構造として移住を後押しする大胆な税制優遇や給付型支援の拡充など、地方へ移住することが経済的・社会的なプラスとなるような構造の転換が必要であると考えます。
3.多分野における「担い手不足」への構造的対策
現在、本町が直面している最も深刻な課題は、あらゆる分野における担い手の欠如です。
産業においては、林業や農業分野で高齢化が進み、貴重な資源や技術の継承が危ぶまれています。行政・生活の担い手として、消防団や地域の自治組織、さらには介護・医療の現場においても支え手が不足し、地域コミュニティの維持が困難になっています。また、伝統文化である「花祭」を継承する若者も減少しています。
そうした課題に対応するため、国には、関係人口が地域の担い手として参画しやすい制度のほか、伝統文化の継承者を地域文化の守り手として公的に支援するなど、経済合理性だけでは計れない価値を守る人々を直接支える仕組みの構築を望みます。