改編から3年 県立御津あおば高校1期生卒業/答辞で磯部優来さんが後輩たちへ呼びかけ/得た学び「今後の社会で必要な力に」
2026/03/06

級友と高校生活最後の校歌を歌う磯部さん(左から2人目)=御津あおば高校で
豊川市の県立御津あおば高校は改編から今春で3年。記念すべき1期生が2日、卒業式に臨んだ。中学時代に病気で不登校を経験した磯部優来(ゆら)さんは、改編で誕生した昼間定時制に入学し、2年から全日制に編入。名門国立大学への道を切り開いた。御津あおば高校の〝申し子〟は涙ながらに教員や級友、家族に感謝の思いを語った。
新校で1期生、旧御津高校から38回生となる全日制118人、定時制6人が母校を巣立った。卒業生を代表して答辞を述べた磯部さんが、新たな歴史を歩み始めた学校との青春の日々を振り返った。
外国籍や、特別な事情を持つ級友との日々。「個性豊かなクラスメイトと互いに違いを認め合うことで、いつしか笑い声が響く場所へと変わっていった」。沖縄の修学旅行や体育祭などの思い出がよみがえった。
教員への思いは伝えきれないほどある。「常に私たち一人一人に寄り添い、温かく支え続けてくれた」。特に担任教員には「生活面、学習面、精神面に至るまで献身的に指導してくれた。まるで父のような存在だった」と感謝した。
1年時、国公立大学を目指すことを提案され、翌年度から全日制へ編入。受験が迫り、体調不良で登校できない日が続いた時も前向きな言葉をかけてくれた。そして、北陸の名門・金沢大学に合格した。「先生の導きがあったからこそ、今の進学先に出会えた。海外研修の参加など、自らを成長させる行動を取れるようになった」。
6年前の春は、入院先の病室の窓越しに満開の桜を眺めていた。「あすを思い描けないほど難しい日々」で自暴自棄にもなったが、母は静かに受け止めた。病状が悪化した際には仕事を辞めて看病してくれた母に「今、桜の下で自分の足で立っている。私の姿はどのように映っているでしょうか」と問いかけた。
母校では昨年春から新たに通信制も導入された。磯部さんは、後輩たちに「全日制、定時制、通信制は優劣や隔たりではなく、それぞれが自分の方法で未来へ進むために準備された大切な道。歩んできた道を信じ、挑戦する勇気を持ち続けてほしい。本校で学ぶ多様な価値観は今後の社会で必要な力になる」と呼びかけた。