銅版画を中心に約60点

日本愛した慧眼の作家/豊橋でヨルク・シュマイサーさん回顧展

2026/05/14

回顧展を企画した野尻さん(ギャラリーサンセリテで)

 銅版画の粋を極め、精緻で繊細な作品を多数残したヨルク・シュマイサーさんの回顧展が、豊橋市向山大池町の「ギャラリーサンセリテ」で開催されている。銅版画を中心に約60点が並び、偉業を伝える。

 1942年にポメラニア(当時ドイツ、現ポーランド)で生まれ、世界中を旅して作品を制作したシュマイサーさん。日本人を妻に持ち、日本の大学で教壇に立った経験もある。日本をモチーフにした作品も多く飾られ、奈良をテーマにした「奈良拾遺」のシリーズには、法隆寺の塔や東大寺の香炉台、御幣などが描かれ、モチーフの内面まで見極める濃密な視線と精密な表現で、風景の向こうを流れる時空の変遷まで壮大に表わしている。

 日本の民話を元にした木版画もユニークで、越前和紙の名品に刷られ、生き生きとした躍動感と生命のみずみずしさを感じさせる。他にも珠玉の作がそろい、鑑賞を楽しめそうだ。

 26日まで。2012年に亡くなってから、サンセリテでは3回目の回顧展。企画した野尻眞理子さんは「いつまでも忘れたくない、伝え続けたい作家。地方都市でこの規模の展覧会は貴重な機会なので、多くの人にぜひ見てほしい」と来場を呼びかけている。

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