モダン・ムーブメント建築に選定

豊橋「水上ビル」/戦後復興から60年 ほぼ原形とどめる外観/都市形成の変遷との関わり評価

2026/06/26

「モダン・ムーブメントの建築」に選ばれた水上ビル(豊橋市駅前大通で)

 豊橋駅南側の牟呂用水の上に立つビル群、通称「水上ビル」(豊橋駅前大通など)が、「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」として国際学術組織の日本支部「DOCOMOMO Japan(ドコモモ ジャパン)」が新たに選定した12件の一つに選ばれた。

 モダン・ムーブメントとは、20世紀建築の主要な潮流の一つで、18~19世紀に端を発する合理主義的、社会改革的な思想や技術革新を背景に生まれた建築を指す。日本でも1920年代からその影響を受けた建物が建設され、現存する建築物は日本の近代化を物語る上で重要な文化的資産として、ドコモモ ジャパンがこうした代表的な建築物を選定している。

 ドコモモ ジャパンは、モダン・ムーブメントに関連する建築の記録と保存を推進しており、これまでに300件を選んでいる。

 選定に際しては、原則として完工から35年以上が経過している現存建物であることに加え、技術的な革新性や社会改革的な思想などが評価の基準となっている。

 水上ビルは、鉄筋コンクリート造りの豊橋ビルと大豊ビル、大手ビルの計15棟で構成された全長約800㍍の建築群。牟呂用水の形状に沿って屈折した全体配置が特徴で、外観は完成から約60年がたった今も、当時の状態をほぼとどめている。水上ビルが生み出す景観は地域性、時代性が重層している点や、地域の経済活動、コミュニティ活動の核となる場所を目指した点、さらには豊橋市の戦後復興期から高度成長期にいたる都市形成の変遷と関わっていることなどが評価された。

 大豊ビルでは、8月上旬に「水上ビル建築ウイーク」を企画。建築家や、水上ビル建設に関わりの深い戦後闇市の研究者らによるトーク、建築学生の水上ビルをテーマにした作品展示などが予定されている。

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