乗っ取りキノコがずらり

鳳来寺山自然科学博物館で、きょうから「冬虫夏草展」/新城

2026/06/27

冬虫夏草の標本を手にする木村さん(鳳来寺山自然科学博物館で)

 新城市門谷の鳳来寺山自然科学博物館で27日、特別展「虫を食べるきのこ 冬虫夏草(とうちゅうかそう)展」が始まる。冬虫夏草とは昆虫などから生えるキノコの総称だ。79種類556点もの標本を並べるほか、その奇妙な生態を写真やパネルで紹介する。

 生きたハチやカメムシなどの体に菌が侵入して増殖し、宿主の死後にキノコとなる。乗っ取る相手の種類が決まっている菌が多いそうで、宿主からすれば恐ろしい死の病だ。

 今回の標本は、同博物館の学術委員(菌類)を務める木村修司さん(76)のコレクションだ。冬虫夏草に特化した展示としては、東海地方で最も充実したものになるという。

 土の中のサナギや幼虫に寄生し、キノコだけが地表に現れることも多く、その様子はジオラマで再現した。パネルでは発生場所や時期、採集方法も解説する。

 特別展は9月6日まで。入館料300円(小中学生100円)で見学できる。8月23日には木村さんによる解説会を開催する。

 ■オカルト的魅力

 40歳前後でキノコへの関心を深めた木村さん。珍しいものを見つけようと冬虫夏草を探し始めたが、最初の出合いまでは7年かかった。「オカルト的な魅力があり、一度見つけると感動する」と話す。

 ただ、空中湿度の高い林で探すなど、こつさえつかめば見つけるのは難しくないそうだ。

 記者も5年前、木村さんが講師を務めた観察会に参加し、アリから生えた「タイワンアリタケ」を採取した。「沢の近くで葉っぱの裏を探せばいい」とのアドバイス通りだった。

 不思議だったのは、なぜアリが決まって葉の裏で死ぬのかだ。木村さんによると、生きたままコントロールされ、菌の好む場所までたどり着いてから死ぬというのが通説らしい。

 菌が動物の行動まで支配してしまうわけだ。記者は自分も乗っ取られないかと不安になったが、人間にとりつく冬虫夏草菌はいないという。

取材直前に木村さんが見つけてきたタイワンアリタケ(同)

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