解体方針から一転、先人の思いつなげたい/蒲郡
2026/07/02

立ち入り禁止になっている戦没者慰霊平和塔=蒲郡市水竹町で
蒲郡市の鈴木寿明市長は1日、老朽化により外壁が剥離(はくり)し、解体予定だった同市水竹町の戦没者慰霊平和塔について、修復を検討する方針を明らかにした。これに伴い、6日に開催予定だった市民説明会を延期する。
平和塔は鉄筋コンクリート造りで高さ約20メートル。手を合わせたようなデザインが特徴だ。鈴木市長は「今のデザインを生かして先人の思いをつなげたい」とし、躯体(くたい)はそのままに、吹き付けなどで外壁を修繕する方法はないか可能性を探るという。
先月の市議会本会議では、塔の修復は行わず「解体後は追悼と平和祈念のエリアやモニュメントを設置したい」と答弁していた。しかし、県内の建築家からアイデアが寄せられ、計画を見直すことにした。塔を設計した建築家の故・黒川紀章氏の事務所を含めて検討を進める。
新たな方針について、戦没者遺族の80代男性は「お参りする場は残してほしいが、安全第一。今のままでは危険なことは承知していたので、規模が小さくなるのはやむを得ないと覚悟していた」と困惑気味に話した。
市は方向性が決まり次第、改めて市民向け説明会を開く。
【戦没者慰霊平和塔】第2次世界大戦などで亡くなった1716柱を慰めるため、1977年、市中央公園内に建立された。近年は外壁の大理石が剥がれ、複数回の補修を行ってきた。現在も剥離が広がり、落下などの危険があるため周囲は立ち入り禁止になっている。今後も維持管理費がかさむため、市は解体方針を示していた。