中部・北陸実業団対抗駅伝競走大会を振り返る/盤石の走り、挑戦者としてV奪還
2022/11/20
トヨタ自動車が日本一奪還へ盤石の走りを見せた
トヨタ自動車陸上長距離部で活躍した豊橋市出身の山本修平さんが、田原市田原町のはなとき通りを発着点に、7区間80・5キロのコースで行われた中部・北陸実業団対抗駅伝競走大会を振り返った。
レースは、トヨタ自動車が1区で先頭に立ち、激しい雨が降り続ける中、盤石の走りで2位以下を大きく突き放し、3時間54分41秒で2年ぶり24回目の総合優勝を決めた。
◆1区
「丸山竜也は今年からトヨタ自動車に移籍し、すごく良い走りだった。市民ランナーなどいろいろな経験をしてきた強さが出ていた。小野田勇次(トヨタ紡織)は後輩なので、ちょっと複雑な思いもあったが、調子の良かった丸山が序盤からレースをつくり、自分の役割は果たした」。
◆2区
「ビダン・カロキの調子がどれだけ戻っているか。昨年は足の状態が悪く失速したので、不安がある中で乗り越えた。本来のレベルを考えると物足りない部分もあるが、しっかり最後まで走り切ったのが良かった」。
◆3区
「昨年から力をつけていて、太田智樹に求める力ならもっと走れたと思う。区間賞を獲得して安定した走りでたすきをつないだので、最低限の仕事はした」。
◆4区
「トヨタ自動車はこの区間で良い流れをつくった。事前情報で高校時代から実力者の羽生拓矢(トヨタ紡織)が、かなり調子が良いと聞いていた。それでも、西山雄介がリードして次につないだのは大きかったと思う」。
◆5区
「宮脇千博(オープン参加)の走りには驚かされて、久々に彼本来の実力を発揮してくれてうれしさもあった。モチベーションを保つのが難しい中で、すごく大きなインパクトもあった。私自身も、トヨタ自動車の1年目にBチームで区間賞を取って、そこから流れが変わった」。
◆6区
「雨が降り始めて厳しいコンディションになった。西山和弥は、昨年も6区を走って不安があったはず。ただ、聞谷賢人(トヨタ紡織)の追い上げを気にせず最後まで落ち着いて走ることができた」。
◆7区
「田中秀幸の走りは盤石、これぞ『強いトヨタ』を見せてくれた。2位以下に2分近い差で勝てたのは、ニューイヤー駅伝につながる」。
◆まとめ
「今回の中部予選は挑戦者としてV奪還し、ニューイヤー駅伝へ大きな弾みになった。服部勇馬のコンディションは気になるが、チーム全体が底上げされているので期待したい。予選でしっかり走れた時は、本番でも良い走りができる。メンバーも入れ替わると思うので『全員駅伝』で何とか日本一を狙ってほしい」。
田原市で行われた中部・北陸実業団対抗駅伝競走大会。3時間54分41秒で2年ぶり24回目の総合優勝を決めたトヨタ自動車の熊本剛監督と選手たちがレースを振り返った。
◆熊本剛監督
「地元開催、昨年の悔しさがあり、負けられないチームだったので、勝ててホッとしている。雨が降る難しいコンディションの中、1人1人がそれぞれ役割を全うし、しっかりたすきをつなぎ思い描いた通りのレースができた。沿道からの多くの声援が背中を押してくれた。ニューイヤー駅伝でも優勝を目指し、全員一丸で頑張りたい」。
◆丸山竜也
「駅伝に苦手意識はあったが、強いチームの一員として勝利に貢献できてうれしい。ニューイヤー駅伝へ気持ちを切り替え挑戦したい」。
◆ビダン・カロキ
「優勝はみんなが頑張った結果。本番まで残り1カ月間あるので、ニューイヤー駅伝でも全力で頑張りたい」。
◆太田智樹
「皆さんの応援のおかげ。まだまだ納得の走りはできていないが、ニューイヤー駅伝では自分の走りを見せたい」。
◆西山雄介
「チームとして優勝できたのがうれしい。(トヨタ紡織に追い上げられ)迷惑をかけたので、チームの勝利に貢献できる走りを見せて、ニューイヤー駅伝でも優勝したい」。
◆大石港与
「自分の役割はリードを広げることだったが、まだまだ足りなかった。チームとしては、ニューイヤー駅伝へ弾みになったので、力をつけて優勝を目指す」。
◆西山和弥
「2年ぶりの優勝は良かったが、今年こそ自分の区間で勝負したかった。応援のおかげで前半から攻めの走りができた。チームの一員として戦力になりたい」。
◆田中秀幸
「アンカーとしてしっかり1位でフィニッシュできた。今回の優勝には特別な思いがある。ニューイヤー駅伝でも地元に笑顔や勇気を与える走りがしたい」。