ACミラン東三河校開校の波紋

地元サッカー関係者から戸惑いの声/陸上競技場使用にも懸念の声

2018/02/03

 イタリアの名門クラブ「ACミラン」のサッカースクール東三河校が4月にオープンする。国内でも人気の高い伝統クラブの東三河進出に対し歓迎や喜びの声が挙がる中、「寝耳に水」のサッカー協会、体育協会、地元クラブの関係者からは不安や不満、戸惑いの声も漏れ始めている。豊橋市の支援も受けるACミラン東三河校は、これまで地域のサッカー文化を支えてきた人々とともに、官民一体となって共存共栄を図っていけるのだろうか。

 「こんなはずじゃなかった」。学校やクラブチームなど、複数の団体が混在する少年サッカーの現場でよく聞く言葉だ。異なる目的や背景を持つサッカーチームが併存し、チームの選択や掛け持ちで、指導者や保護者、選手自身を悩ませる事態に陥ることがある。

 子どもたちがサッカーを続ける方法は3つある。各地域の小中学校で教育の一環として活動する部活動と、テクニックやスキルを学ぶのみで大会には出場しないサッカースクール。そして将来のJリーグを目指してプロ指導者らが指導・運営するクラブチームだ。大会に出場するには、日本サッカー協会への登録が必要で、複数チームへの重複登録は認められていない。

 ACミランの場合は、キッズ~ジュニアのカテゴリーで選手たちにテクニックを教えるサッカースクールに分類され、他のチームに所属しながらでも練習に参加できる。

 ただ、子どもたちがサッカーチームを掛け持ちすることに対し、東三河のサッカー関係者からは「ACミランは従来から地元で頑張るチームと友好な関係を築けるか」「チームの方針と異なる指導で子どもたちが混乱しないか」という不安の声が聞こえてくる。今後の東三河地域にとって、選手・指導者のスキルアップや全体的なレベルアップにつながるのかは未知数といえる。

 また、練習場所についても混乱の火種になりかねない。市役所で開かれたACミランの会見には、佐原光一市長も出席し、練習場所として豊橋市陸上競技場を使用することが明らかにされた。一プロチームの下部組織が市から特別扱いを受け、優先的に施設を利用することになると、「これまでの利用者(市民)との間に軋轢(あつれき)が生じるのではないか」という声も聞かれている。

 ACミラン東三河校の発足について事前の詳しい情報提供はなかったという、東三河サッカー協会の山内一乗理事長は「東三河地区には30チーム以上の少年クラブチームがある。ACミランには、地元の活動を認識し、子どもたちや指導者に良い影響が出るよう連携してほしい」と、不安交じりにも期待を寄せる。

 別の関係者も「行政を含む東三河全域で協力体制が築かれ、ACミラン進出が地域のサッカーレベル向上につながれば」と期待するが、ACミランの成否は地域との「連携プレー」にかかっているようだ。

2018/02/03 のニュース

佐原市長も出席し豊橋市役所で開かれたACミランの会見

有料会員募集

東三河の家造り「住蔵」

連載コーナー

ピックアップ

東三河見ごろ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.