リチウム電池の容量2倍に

電極材料に赤リン使用/EV走行距離も倍以上に伸びる可能性も/豊橋技科大の東城友都助教ら研究グループ報告

2018/05/18

 リチウムイオン電池(LIB)の電極材料にカーボンナノチューブ(CNT)に詰め込んだ赤リンを使うことで、電池容量が従来より約2倍増えることが、豊橋技術科学大学の東城友都助教(電気電子材料工学)らの研究グループの実験でわかった。この電池を利用することで、電気自動車の走行距離が2倍以上伸びる可能性も出てきた。

 LIBの負(マイナス)極に赤リンを使うことで、従来使用されている黒鉛と比べて理論上約7倍の電池容量が得られるとされている。

 しかし、赤リンにはリチウムイオンを吸蔵して充電する時と放出して放電する際で急激な体積変化が起こり、リン粒子が剥離(はくり)・脱落して電池容量が急減する問題が指摘されていた。

 この問題に対し研究グループは、筒状のCNTに赤リンを詰め込んだ構造の材料を開発した。充電しても赤リンの体積の膨張をCNTが抑えると同時に、電気を通しやすいCNTの性質が、絶縁体である赤リンの電気的弱点を補うことも期待。さらに、CNTの側壁に細孔を開けることでリチウムイオンの移動をスムーズにし、充放電反応の性能向上もねらった。

 実験で50回の充放電を繰り返した結果、従来より約2倍の電池容量が得られ、充放電効率も高い数値を記録。赤リン粒子もCNT内で安定して存在していることも確認できた。

 東城助教は15日の大学の定例会見で、「徐々に充放電容量が低下してくるが、電圧を調節することで問題は解決できると思う。電気自動車の電池として、2倍以上の航続距離を可能にしたい」と今後の目標を語った。

2018/05/18 のニュース

細孔を開けたカーボンナノチューブの電子顕微鏡画像(豊橋技術科学大提供)

実験結果を報告する東城助教

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