「3番手の男」最後の夏へ

全三河で活躍 成章高野球部・菊永陽投手/度重なるけが乗り越えたくましく/分厚さ増した投手陣 3度目甲子園出場に現実味

2018/06/15

 30日に開幕する高校野球愛知東大会に向け、強豪・成章(田原市)の「3番手」の男がたくましく成長した。投手の菊永陽(3年)。度重なるけがで挫折の連続だった。復活をかけて臨んだ全三河高校野球大会で救援し、優勝に導いた1人だ。投手陣が厚くなったことで、10年ぶり3度目の甲子園出場が現実味を帯びてきた。

 成章は、本格派の音渕柊人とコーナーを丁寧に突く山北謙信の投手の2枚看板に支えられた守りのチームだ。だが、連戦が続く過酷な夏の大会を勝ち抜くためには3番手の整備が課題だった。

 菊永は入部した1年生の時、体が小さく筋力や体力もなく、頼りない選手だった。メンバーに選ばれることはなかった。体力づくりで練習中、手を滑らせて落下。臀部(でんぶ)にボルトが刺さるけがを負ってチームを離脱した。

 ようやくけがが治って練習に復帰したが、今度は左足に血が溜まり、軽い肉離れで全治3カ月と診断され、再びチームを離れた。自らのふがいなさと焦りで苦悩の日が続いた。

 心機一転で臨んだ昨春。これまでの失態を挽回しようとがむしゃらに頑張った。しかし、投げ過ぎて成長期の体が悲鳴をあげて右肘(ひじ)に違和感を覚えた。レントゲン検査では異常は見つからなかった。痛みをこらえて投げ続けた。10月のMRI検査での結果が、疲労骨折だった。

 けがとの闘いの連続だった。「早く復帰したいが、もう無理かもしれない」と心が揺れ動いた。河合邦宗監督から「結果を出さなければ、夏の大会は(メンバーを)外す」と言われ、つらかった。

 背水の陣で臨んだのが、東愛知大会の前哨戦に位置づけられる全三河高校野球大会。先月19日の初戦で初めての公式戦で救援し、逆転サヨナラ勝ちにつなげた。26日の準決勝で延長戦を制した立役者の1人だった。最速134㌔の直球と変化球の緩急をつけた投球で相手打線をほんろうした。

 河合監督は「けがを克服してよく投げた。夏が楽しみになった」と絶賛した。

 「『楽しんでやればいい』と言われて落ちつけた。自信がついた。少しでもチームの役に立てるようになりたい。みんなで甲子園へ行きたい」

 逆境を乗り越え、チャンスをつかみ取った菊永の夏がもうすぐ始まる。

2018/06/15 のニュース

度重なるケガを乗り越えた菊永陽

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