第12回環境経営賞発表

最優秀賞は東洋製罐豊橋工場とトピー海運／豊橋商議所

2024/03/11

無溶剤接着剤を使用したラミネートパウチ

　豊橋商工会議所（神野吾郎会頭）が８日に発表した今年度の第12回環境経営賞は、東洋製罐豊橋工場（豊橋市明海町）とトピー海運（同市神野ふ頭町）が最優秀賞を受賞した。

　◆東洋製罐

　異なるフィルムを貼り合わせるラミネートパウチ容器を製造する同社では、有機溶剤を使用しない「無溶剤型」接着剤を用いた製造ラインを増やすことで、１ラインあたりの二酸化炭素（ＣＯ２）排出量を約94％削減することに成功した。

　トルエンなど有機溶剤を使う「溶剤型」接着剤はすべてのラミネートパウチに対応できるが、乾燥炉での乾燥が必要なためＣＯ２を多く発生する。これに対し、乾燥が不要でＣＯ２排出量の少ない無溶剤型は、これまで非アルミのパウチ生産のみに限られていたが、同社では新たな接着剤の開発や製造技術の改良により、業界初となるレトルト食品用パウチの生産にも成功。無溶剤型ラインを増設するとともに、有機溶剤の使用量も大幅に削減した。

　◆トピー海運

　トピー工業グループの同社はカーボンニュートラルを推進するため、高い省エネルギー性能とＣＯ２排出削減を実現した貨物船「東進丸（５代目）」を新たに就航させた。同船は低燃費エンジンや高効率プロペラを塔載し、低摩擦塗料や省エネ効果の高い船型を採用することで、４代目東進丸より燃費を５・５％減らし、約40％のＣＯ２削減を達成した。

　最先端技術を積極的に導入した同船は、国土交通省の内航船省エネルギー格付制度で最高評価の「五つ星」を獲得。トピー工業豊橋製造所で生産する鋼材や、原料となる鉄スクラップの運搬に使用されている。

　優秀賞は、サーラエナジー（豊橋市駅前大通一）の「再生可能エネルギー普及促進に向けた自己託送事業」が受賞。

　奨励賞は、渥美工業所（同市若松町）「橋を点検する通路である検査路の製造によるインフラの持続と、環境に易しい製造モデル」▽港自工（同市明海町）「環境に配慮した欧州型カーボンニュートラルを目指したハイブリッド型膜構造建築物の研究事業」▽望月工務店（同市下地町）「星野神社覆殿・本殿（豊川市指定文化財）の改修・復元等」―の３社に決まった。