道路寸断や液状化など警戒

南海トラフ地震を想定/身の回りや危険箇所の事前確認呼びかけ/「能登半島と同じようなことが起きる」豊橋市のFMラジオで北大名誉教授語る

2024/03/12

危惧される南海トラフ地震で「能登半島地震と同じことが起きるだろう」と語る平川名誉教授㊨。手前は前川さん

 地震研究に取り組む豊橋市老津町の平川一臣・北海道大学名誉教授は、出演した豊橋市のコミュニティーラジオ局「やしの実FM」の番組で、心配される南海トラフ地震を取り上げ「能登半島地震と同じ道路寸断や液状化などが起こるだろう」と警戒を呼びかけた。そのうえで身の回りをチェックし、身を守ることの大切さを訴えた。東日本震災から11日、13年がたった。度重なる震災を教訓に、こうしたことを実践していきたいものだ。

 ■被害は大きい

 警察庁の調べで2月末時点、東日本大震災は死者1万5900人となった。平川名誉教授は「東北では数百年か、1000年に1回かも知れない」と説明しながらも東日本を含めチリ、アラスカ、スマトラ島沖で起きたマグニチュード(M)9以上の巨大地震を紹介し、「地球で数十年に1回起きている」と指摘した。

 元旦の能登半島地震は、M7・6。木造家屋が倒壊したほか、道路が寸断、がけ崩れや液状化をもたらし惨事となった。

 警戒していなかったのか。積丹半島沖(1940年)、北海道南西沖(93年)、日本海中部(83年)、新潟(64年)と日本海沿岸でM7以上の地震を北から南に順に取り上げ、「地震と津波にさらされてきた。必ず起きると思わなければいけなかった」と強調した。さらに95年のM7・3の阪神・淡路大震災と比べ「能登の死者が二百数十人に対し阪神が6千数百人と多いが、被害は人口規模から見れば激甚」と語った。

 危惧されるのが南海トラフ地震。「能登半島地震と同じことが起きると思った方が良い」と警告した。具体的には国道23号蒲郡バイパスの蒲郡IC(インターチェンジ)―豊川為当ICの工事区間や豊橋市の明海工業団地の液状化、田原市の伊良湖へと続く古い木造家屋の空き家の倒壊などを挙げた。

 対応策として地域の人たちは、身の回りをチェックし例えば寝室の耐震性が全くないと判断すれば「鉄パイプでベッドの上を覆う方法もある」と述べた。そのうえで「校区の人たちと協力し危険箇所を事前に調べ、万一の時に備える必要がある」と促した。

 ■玄関に靴を並べ

 平川名誉教授は、かつて能登半島の活断層を調べたほか、国土交通省の「日本海における大規模地震に関する調査検討会」委員に携わるなど半島と関わりが深い。8日の番組「ここなっつふらいでぇ」の「宮城県閖上(ゆりあげ)・亘理(わたり)・山元から届く~東北の風」のコーナーに出演し、仙台市出身でパーソナリティ―の前川みどりさんの質問に答えた。

 前川さんは「自分の頭にいろんな物が落ちてこないかを確認する。いざという時は、すぐに出られるように玄関に靴を並べて置きましょう」と締めくくった。

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