蒲郡・竹島 八百富神社/使者のヘビ、 巳年に大祭/ご開帳で一目見ようと大勢にぎわう
2025/05/05
弁財天像に見入る参拝者(蒲郡市・八百富神社で)
蒲郡市・竹島の八百富神社にまつられている木造弁財天像が一般公開されている。6年に1度のご開帳とあって、一目見ようと大勢の人が詰めかけている。5日まで。
八百富神社は平安期の1181年の創建とされる。祭神は弁財天で、その使者がヘビであることから、巳(み)年に大祭を開く。それに合わせた大開帳で、弁財天像を間近に見ることができる。かつては12年に1度だったが、明治期ごろから、亥(い)年にも公開するようになったという。
像は高さ約17センチの木造坐像(ざぞう)で、鎌倉時代の作とみられる。1957年、市の文化財に指定された。神社によると、ご開帳が始まった3日は前回の3倍に当たる600人が訪れたという。
4日、参拝に訪れた豊川市八幡町の吉田満江さん(83)は「年2回はお参りするが、ご開帳と知って駆けつけた。見ただけで涙が出そうです」と感激していた。
さらに今年は、一時、竹島を離れた弁財天像が戻って300年になるという。昔、弁財天像と使いの白蛇が津波で豊川市西部の国府(こう)へ流され、大社神社にまつられた。その後、国府と竹島の庄屋と神主が同じ日に弁財天が「竹島へ戻りたがっている」という夢を見たことから、島へ送り届けた―という伝説がある。
市川典明宮司は「見るだけでも力をいただくことができる。不安定な世の中、運をいただいてもらえれば」と話す。