8割が19歳以下、マスクや手洗い呼びかけ
2025/06/14
県内の百日咳発生状況㊧と年齢層別患者割合㊨
百日咳(ひゃくにちぜき)の患者が、愛知県内で急増している。県のまとめによると、今年の第23週(6月9日時点)までに県内の届出数は809件に達し、前年同期15件の54倍。昨年1年間の150件を大きく上回った。これは過去5年間で最多となる。
年齢別では、10~14歳が370件と全体の46%を占め、15~19歳が104件(13%)、20歳以上は155件(19%)だった。8割が19歳以下で、思春期以降の層が目立つ。一方、乳幼児では重症化のリスクが高く、特に新生児は無呼吸や肺炎、脳炎を併発することもあるため、注意が必要とされている。
百日咳は、百日咳菌の飛沫感染により起きる急性の気道感染症で、一般的には感染後5~10日の潜伏期間を経て風邪のような症状が始まる。その後、咳が激しくなり、発作的に息を吸い込むときに「ヒュー」という笛のような音が出るのが特徴だ。
感染拡大を防ぐため、県は症状がある場合のマスク着用や「咳エチケット」の徹底、手洗いの励行、人混みや繁華街の外出を控えることなどを呼びかけている。