TASKIサミット、間伐材ボイラーの事例紹介も
2025/07/12
サミットに参加した5市長。中央が下江市長(新城文化会館で)
岐阜県多治見市、愛知県安城市、新城市、静岡県掛川市、長野県飯田市による中部環境先進5市サミットが11日、新城文化会館であった。各市の頭文字から別名「TASKI(たすき)サミット」といい、14回目を迎えた息の長い取り組みだ。市長5人が環境政策を進める上での工夫などについて意見交換した。
基調講演では、間伐材の熱利用を行う「フォレストエネルギー新城」の大西康史代表が、湯谷温泉でのボイラー事業を説明。重油の代わりに薪を燃やすことで二酸化炭素排出量を年間約200トン削減し、森林整備、雇用創出にもつながったと語った。
新城市の下江洋行市長はパネルディスカッションで、2023年からサーキュラーエコノミー(循環型経済)促進に力を入れ、市職員が未利用食品の活用などを試行していると紹介。今後、民間企業と協力して廃油活用、牧場からのアンモニア回収にも挑戦するとした。
安城市の三星元人市長は、豪雨時に田んぼへ水を貯めて浸水被害を軽減する「水田貯留」の実践について解説。「農業者の皆さんへ地道に説明し、信頼関係を築いてきた。中小河川から水があふれる回数が減った」と述べた。
掛川市の久保田崇市長は、紙おむつを燃料に再利用しようという取り組みなどを例示。同市は、すでに市民1人当たりのごみ排出量が一日600グラムを切り、国内最少に近い水準だが、「あえて高い目標を立てており、ゼロ・ウエイスト(排出ゼロ)を目指す」と力を込めた。
TASKIサミットは10年から5市が持ち回りで開き、新城市では3回目。各市の住民団体メンバーら約70人が会場に集まった。同日午後はバスに分乗し、環境保全に熱心な横浜ゴム新城工場などを見学した。