施設の〝老い〟と隣り合わせ

新アリーナ事業継続切に願う地元スポーツ団体 ㊤/雨漏り 外壁劣化… 時代遅れ?空調設備すらなく/「子どもたちに充実した環境で競技させたい」

2025/07/17

休憩中に扇風機で涼む空手道の子どもたち。天井は雨漏りで変色している(豊橋市武道館で)

 豊橋市の新アリーナ建設計画をめぐる住民投票(20日投開票)が迫る。新アリーナの有無で競技環境が大きく変化する地元スポーツ団体の現状を、2回にわたり紹介する。市武道館の老朽化と隣り合わせの空手道連盟関係者は事業継続を切に願う。

 アリーナ計画地内にある武道館は1973年5月に開館。この5月で築52年を迎えた。土俵がある1階では相撲、畳が敷かれた2階では柔道、木床の3階では剣道や日本拳法、空手道が活動する。空調設備やエレベーターがなく夏場は体力の消耗が激しいが、最上階の3階は老朽化の影響が深刻だ。

 5年ほど前から雨脚が強まると雨漏りが発生している。天井や壁、床に浸み込み、雨天時はバケツを並べる事態に。被害が大きい道場東側では一時期、ポールとコーンで立ち入り禁止にしたほど。豊橋空手道連盟の理事長で、同館で週2日練習する旺武館石巻支部の前田直彦さん(67)は「防具入れは雨漏り対策の道具でいっぱいです」と苦笑する。

 外壁の劣化も激しい。最近、同館南側の軒下の一部がはがれ落ちた。けが人はなかったが、下には正面玄関や駐車場もあり、安全性が問われている。

 新アリーナができれば、武道場とサブアリーナを合わせた広い空間で大会ができる。球技を含めた他種目と重なりがちな大会日程の調整も容易になることから、武道競技5団体は事業継続を求める。

 ほかの種目を比べても、武道連盟の役員は高齢の傾向にある。アリーナ計画が中止となれば、今後10年は現状維持となる見通しもあり、豊橋空手道連盟の及部武彦会長(82)は「10年先なんて私は生きているか分からない。子どもたちにも充実した環境で競技をさせてあげられる、いまがいいチャンス」と話す。

バケツやポールの置き場となっている防具入れ(同)

一部がはがれ落ちた武道館の軒下(同)

2025/07/17 のニュース

休憩中に扇風機で涼む空手道の子どもたち。天井は雨漏りで変色している(豊橋市武道館で)

バケツやポールの置き場となっている防具入れ(同)

一部がはがれ落ちた武道館の軒下(同)

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