かくて新アリーナ事業に「反対」する/豊橋公園の緑を未来につなぐ市民の会共同代表 藤田 茂樹さん
2025/07/17
新アリーナ計画を反対する理由を語る藤田さん(豊橋市内で)
豊橋市の多目的屋内施設(新アリーナ)建設計画をめぐる住民投票を前に、計画を推進、反対する活動を展開してきた団体の代表に賛成、反対の理由を聞いた。
反対するのは、まず費用がかかり過ぎ。新アリーナなどの設計、建設に約230億円で、これは豊橋市が当初、想定していたより3割ほど事業規模が膨らんでいる。それだけでもリスクは大きい。アリーナ建設は野球場の移設がセットになり、この費用も考える必要がある。野球場の移転には50億円ほどかかる。事業者が維持管理、運営する30年間には、大規模な修繕もしなければならず、60億円ぐらいは必要で市が負担する。
(アリーナは)最低でも60年ほどは豊橋公園に存在すると考える。50年、60年と使うことになるが、建物を計画して壊すまでのライフサイクルコストは、60年間で少なくとも600億円はかかると思っている。今の見た目よりずっとかかることになる。
それに少子化。豊橋市の出生数はここ数年、2000人台。30年後、この子たちが親世代になり、1000人ほどしか生まれない世の中になっているのに、60年間で年平均10億円使う。この建物を残していいのか。将来の子どもたちに過大な負担を残すのか。やるならコンパクトにして60億円、70億円で建てるという考え方もある。
三遠ネオフェニックスのためのアリーナで、VIPルームの設置などBリーグのアリーナ基準を満たす必要がある。これからの人口動向を考えると過剰な投資。必要なら民間でやるべきで、税金でやるから野放図に建物が大きくなり、費用が拡大する。投資という意見があるが、税金を230億円も使うなら費用に対する効果を算定してほしい。
建設する場所は論外だ。豊橋駅から豊橋公園まで約1・6キロ。公園は空き地があること、空間があることが価値なのに、公園の空き地を事業用の用地と考えている。使いにくく、駐車場もなく、適地ではないはず。
豊橋公園については、スポーツもできる公園としての使い方を考え、武道館は同じ豊橋公園内で移設する。古くなった遊具は更新し、木は残すべきは残し順番に更新するなど、一度にやるのではなく、市民の声を丁寧に聞いて少しずつ変えていく。
今、提案されている内容は疑問が多い。アリーナをほしいと思っている人もここはいったん止めるべき。