豊橋市シルバー人材センター/会員増強成功や高い女性比率
2025/09/22
啓発活動に励む会員(豊橋市内で)
豊橋市シルバー人材センター(牟呂町)は、自立や共働の理念を掲げて地域で活動を続ける。平均年齢74歳の会員は2000人を超え、女性の加入も多い。公的機関と連携を深め、民間事業者の需要に応えながら地域に貢献する意識を高めている。
同センターには、60歳から90代までの健康な人計2230人が働き、最年長は93歳。公園の清掃や庭園の剪定(せんてい)、小学校では授業後に子どもたちの勉強や運動をサポートする活動も行う。
近年は人手不足の影響もあり、スーパーでのパック詰めや畑での収穫作業など、特定の期間に人員が必要な業界とのつながりも強めている。
全国のシルバー人材センターは、会員の増員を図る「100万人運動」を展開するが、増減を繰り返す地域が多いという。近年に豊橋市は減少の時期がなく、45%は女性が占める。30%台で推移する他の自治体と比較して高い割合を誇る。酒井通弘会長は「大切なのは地域へ貢献していく意識」と理念を語る。
地域住民へ啓発する活動にも加わる。19日にあった「秋の全国交通安全運動」の出発式には会員50人が参加。警察署前の国道1号では、おそろいのオレンジ色ベストを着て車両に安全運転を訴えた。その後に署内で特殊詐欺対策の講話に耳を傾け、交通安全と防犯の意識を同時に高めた。
市によると、今年4月時点で65歳以上の高齢者は9万7820人で高齢化率は26・8%。今後も人口減少と高齢化率は進行するとみられ、健康で社会に役立つ賢明な高齢者の存在が求められる。
酒井会長は「未来を担う子どもらを育む取り組みにも力を入れていきたい」と今後の方針を示す。