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ノーベル賞化学賞の北川さん 岡崎にもゆかり/研究顧問として毎年助言/岡崎の分子研・渡辺所長 笑顔で「お祝いを」

2025/10/21

分子研創立50周年記念式典後に講演する北川さん=岡崎市明大寺町で(4月22日撮影)

 8日にノーベル化学賞の受賞が決まった京都大学の北川進特別教授(74)は岡崎とゆかりがある。

 北川さんは、2022年4月から岡崎市明大寺町にある自然科学研究機構分子科学研究所の研究顧問を務めており、毎年同所の研究者約30人の研究内容に助言をしている。約30年来の付き合いがある渡辺芳人所長(72)は「仲間が受賞したという感覚でうれしい」と述べた。渡辺所長らによると、北川さんは研究には厳しいが、人柄は気さくで面倒見がいいという。また、研究内容への助言についても「ポジティブな言葉を掛ける方」とされている。

 北川さんは今年4月22日に岡崎コンファレンスセンター(同町)で開かれた分子研創立50周年の特別講演に登場し「分野ごとに磨かれた力が集う分子研だからこそ、〝点〟をつなぎ、〝面〟としての未来を描くような研究姿勢を大切にしてほしい」などと語った。講演依頼は渡辺所長直々に行ったという。渡辺所長は「分子研としてお祝いを考えたい」と笑顔で話した。

 北川さんが開発したのは多数の小さな穴を持つ多孔性材料「金属有機構造体(MOF)」。同市唐沢町のワタナベ鯉(こい)のぼり株式会社はMOFを使って制作したこいのぼりを大阪・関西万博の会場で6月に披露した。渡辺健一郎専務取締役(39)は本紙の取材に「MOFを使用したこいのぼりを制作し、万博で掲揚させていただいた企業としては、私事のようにうれしい。MOFの技術がこれから世界的にさまざまな分野で広まっていくことを期待している」とコメントした。

大阪・関西万博の会場に飾られたMOFを使ったこいのぼり(ワタナベ鯉のぼり株式会社提供)

「西尾」をお披露目する抹茶加工業者5社の代表者(西尾市歴史公園で)

最高級抹茶ブランド「西尾」(同)

その名も「西尾」発売/抹茶業者5社が最高級ブランド商品発売 50缶限定販売

 西尾市の地域ブランド「西尾の抹茶」を加工する業者5社は11日、最高級のブランド抹茶「西尾」を発売した。

 組合法人西尾茶協同組合の株式会社あいや(同市上町)、株式会社葵製茶(同町)、株式会社松鶴園(同町)、株式会社香嘉園(同市西浅井町)、株式会社南山園(安城市藤井町)の5社が製造。伝統的な栽培方法「棚式覆下栽培」で一番茶の時期に手摘みし、厳選した茶葉を石臼でひいた各社の最高級抹茶を持ち寄ってブレンドした。

 西尾の抹茶の特徴であるまろやかな口当たりで、より味わい深く仕上げた。異なる業者の抹茶をブレンドするのは珍しく、希少性が高いという。

 30グラムで1万円。西尾市歴史公園内の旧近衛邸で、50缶限定で販売している。

 同組合によると、世界的な「抹茶ブーム」を好機として西尾の抹茶の認知度をさらに高めようと、各社の経験や知見を集めた企画推進室を昨年度に設置。抹茶文化の価値の再発見や他産地との差別化を図るブランディングに向けた最初の目玉企画として商品開発に取り組んだ。

 本田忠照代表理事は「西尾では伝統を受け継いだ職人技で質の良い抹茶を手掛けている。市内外、海外の人にも味わってもらい、世界に誇れる西尾の抹茶の価値を訴えていきたい」と語る。

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分子研創立50周年記念式典後に講演する北川さん=岡崎市明大寺町で(4月22日撮影)

大阪・関西万博の会場に飾られたMOFを使ったこいのぼり(ワタナベ鯉のぼり株式会社提供)

「西尾」をお披露目する抹茶加工業者5社の代表者(西尾市歴史公園で)

最高級抹茶ブランド「西尾」(同)

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