津波発生時の避難経路確保

表浜海岸/木製階段取り換え/ボラ団体などが整備活動/万一への備えと環境保全〝二刀流〟

2025/11/21

木製の階段の手入れを行う参加者(提供)

 豊橋市小松原町の表浜海岸で17日、津波避難経路の整備活動が行われた。近くの社会福祉法人王寿會王寿園の職員やボランティア団体、不動産会社の社員ら約30人が木製階段の取り換え作業を実施し、津波発生時に利用する経路の安全を確保した。

 海岸整備に励むボランティア団体などは7年ほど前、未舗装の地点に避難路2カ所を新設。過去に漁業関係者が「魚見(うおみ)」として使った高台へ向かう山中に木製の階段を設け、頂上にはブランコやテーブルを置いて撮影スポットにもしている。

 「小松原海岸」近くの高台へ向かえる舗装路は約1㌔㍍の間隔で計3カ所ある。そのため、利用者の安全を確保するため間へ「ルート1」と「ルール2」の避難路を設けた。この日はルート2にある老朽化した階段を差し替えた。頂上の樹木も伐採し、人が通りやすい避難路を保った。

 「ルート1」の作業は5月に実施。手入れする避難路から国道42号方面へ向かうことが可能で、関係団体は「インスタ映え」する頂上付近の認知度も高めて利用者の安全意識を高めている。

 ◆地元の自然環境守る
 木製の階段は日光が当たりづらく潮風にさらされるため、定期的な手入れが必要。通行が増えると地面が踏み固められて雑草が茂らない効果もあり、海岸を訪れる人へのPRにも努めている。

 ボランティア団体は、砂浜近くの草刈りやパトロール活動も行う。多くの人でにぎわう夏場はサーファーに加えてバーベキュー目的の利用者も多く、近年は炭火の消し忘れによる山火事が発生。マナー順守を呼びかける行動も自発的に行い、地元の自然環境を守っている。

 王寿會広報担当の大井孝浩さんは「いつ災害が起きても常に使用できるように避難路などを維持管理していきたい」と話している。

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