今年50周年/手話サークル「クローバーの会」
2025/12/24

手話で同席した人を紹介(さくらピアで)
豊橋市には4つの手話サークルがあり、中でも最初にできた「クローバーの会」は今年で50周年を迎えた。
会員は現在70人。このうちろう者は20人弱だが、会場を見渡しても誰が健聴者かろう者かわからない。「月の世界」という声を出さないで伝える特訓中。隣に座った人を無言で紹介するミッションに、皆夢中だ。
手話の一歩は、まねするところから。自己紹介から一つ一つ動きをろう者に教えてもらって覚えていく。正確に言うと、手話は日本語とは別の言語体系を持つ。外国語を学ぶようなものだ。でも、最初は「日本語対応手話」から入って、次第に「日本手話」という独自の文法を学んでいくという。
50年前も手話の会はあったものの健聴者任せで、ろう者の中には違和感を持つ者もいた。「ろう者の願いを反映させる方向で進めるべき」という提案があり、「ろう者の生活の向上」「ろう者の権利を守る」「手話通訳制度の確立」「ろう者と健聴者との交流」を掲げてクローバーの会が誕生したのが1975年5月20日のこと。
「会員が減った時期もあった」と語るのは副会長の青木安夫さん。健聴者に教えるのは難しい、とろう者は自信を持てなかった。かつて会長だった中島謙さんが再任し、ろう者に声をかけて、にぎやかになってきた。
クローバーの会は豊橋の手話サークルでは唯一毎週土曜日に、午後7時からさくらピアで開かれる。手話の入り口としては、市が手話入門・基礎講習会も開いている。コミュニケーションの手段が増えると始める人も多い。